NHK党、議席獲得兆候で「ガーシー参議院議員」の衝撃！ そして“暴露系”政見放送の行方
「NHKをぶっ壊す！」はずがなんでタレントの“晒し”を？
暴露系ユーチューバー、ガーシーこと東谷義和氏が立候補を決めた（ちなみにキャッチフレーズは「ウソの正義よりも真実の悪」とか）NHK党ですが、なんと政見放送でガーシーが繰り返し“告発”しているタレント綾野剛さんの件を放送するというのです。
6月23日、NHK党党首の立花孝志氏はブログで、同党から立候補（千葉県選挙区）した須田良氏の政見放送の先出しとして、5分27秒の動画をYouTubeで公開。
そこには東谷氏が繰り返しYouTubeで暴露している綾野さんの“未成年淫行疑惑”などの従来からの主張が立花氏の口から語られているのですが、彼らも話すようにガーシーの暴露がテレビ地上波に乗ってしまうというところが衝撃といえるでしょう。
しかし公職選挙法第百五十条の二には、
《公職の候補者、候補者届出政党、衆議院名簿届出政党等及び参議院名簿届出政党等は、その責任を自覚し、前条第一項又は第三項に規定する放送（以下「政見放送」という。）をするに当たつては、他人若しくは他の政党その他の政治団体の名誉を傷つけ若しくは善良な風俗を害し又は特定の商品の広告その他営業に関する宣伝をする等いやしくも政見放送としての品位を損なう言動をしてはならない。》
とあり、この動画がこちらに抵触するとみなされ、部分的にカットされるという可能性もありえます。
“ガーシーchオンNHK”は果たして放送されるのでしょうかーー。
さて、そのガーシー当選の可能性は果たしてあるのでしょうか。それを考察してみたいと思います。
ガーシーが立候補するNHK党は3年前の参院選で一世を風靡し、1議席を獲得。また、それまでの相次ぐ地方選で議員を当選させ続け、現在23人。その2019年参院選では、選挙区全体で約152万票（得票率3％）と政党要件を満たし、8番目の国政政党へと躍進したのです。
政党助成法上で、所属の国会議員5人を満たせず、直近の衆参で全国の得票が2%を切れば、政党要件を喪失します。あの社民党でさえ、この参院選は存亡を賭けた高いとなっています。
NHK党の議席獲得を占う上で、「参政党」の存在は外せません。NHK党のように、既成政党に不信感を持つ人々の受け皿として浮上してきたのです。
JX通信社（米重克洋代表取締役）の情勢調査事業責任者の衛藤健氏は、「参政党はネットを中心に、諸派ながら破竹の勢いを見せています。前回のNHK党に投じた層に重なります。現時点の情勢調査では電話調査で0.8％、ネット調査で1.5％。それだけでなく、6割もいる態度未定者の動向を独自のモデルで加味しても、既存政党以外から選択する層が、NHK党の１議席分から流れそうです」
公示直前の6月18日（土）19日（日）の産経新聞社・FNN（フジニュースネットワーク）合同調査で、「支持政党する政党」はNHK党が0.4％と、1議席に届くか際どい社民党とタイです。さらに比例で投票する先は、0.2％と半減します。
選挙プランナーの若手筆頭株である松田馨氏（株式会社ダイアログ代表取締役）は、先述したJX通信社の米重代表とYoutube上の選挙ドットコムちゃんねるで、参院選の予測をメンバーシップ配信しています。
松田氏は「投票率が伸び悩めば、比例代表で1議席獲得に必要な票数のハードルも下がる。情勢によって、参政党やNHK党なども議席獲得の可能性が広がる。1議席に届く可能性はもしかしたらあるが、最近の戦績からすれば考えづらい。自民党は19議席でなく、18議席では」と語っています。
NHKと共同通信調査では“強い数字”が
これらの情報だけ見ると、苦しいNHK党ですが、変化の兆しが表れています。“本物のNHK”の調査によると、支持政党はNHK党は0.3％で社民0.5％、それに対して先行するれいわ新選組は0.4％なのです。公示前夜にして既にこの強めの数値。恥ずかしながら、何度も見返す現象でした。
更に、共同通信の第1回トレンド調査では、比例投票先は1.0％と大台に乗せてきました。社民党0.8％を上回り、国民民主党1.4％に迫るので、議席獲得の可能性は前2者より高く出ています。毎日新聞の土日の調査でも、1％が2％へ上昇しました。国民民主党とれいわ新選組の3%と社民党の1％の間に位置し、これまた議席圏内に上げてきているのです。
ただし、JX通信社も公示直前の情勢調査では新たな選択肢として「参政党」を設けました。その比較の中でも、この水準を維持できるのか。
国際政治アナリストの上郷ほたる氏は「同じ既成政党に体当たりする路線でも、NHK党と参政党で競合するのは20万票程度ではないか。実はNHK党は2021年総選挙で、比例で78万票も獲得しています。ブームとなった参院選では約99万票だったので、持ち堪えています。軟派のNHK党と硬派の参政党では、支持層が異なる。競争原理で、ネット戦略が基軸で当選する議席が増える可能性がある」としています。
恒例の公示前日の、日本記者クラブでの9党党首討論会。立花党首は「衆院選は3.1％の得票でないと議席が取れず、はなから無理だ。参院選は1.8％で議席が取れる」と断言しました。候補者数も東京で何と6人を擁立するなど、自民党と同じく最多の82人。供託金だけで約2億5千万円かけてでも、露出を増やして勝負を賭けます。
NHK党の帰趨は、選挙運動期間中どれだけ目立てるかに掛かっています。比例区で1議席獲得となれば、ガーシー当選、もありうる流れです。比例代表は、個人名の得票数が多い順に当選が割り振られるため、知名度の高いガーシーが有利になることは間違いありません。
立花党首の報道ステーション出演中のトラブルや政見放送でのタレント暴露など、“炎上”が奏功するかどうか。立花党首本人が出馬しない中で、ガーシーがどれだけ暴れられるかが双肩を担います。
争点が無いとされるこの参院選では、この3つが主論点とされています。�（�価高騰対策 ��外交・安全保障 �７�法改正 ウクライナ侵攻で国民世論は「防衛力強化」に傾いており、�↓�は与党が有利です。野党の攻めては� Ｎ�花党首の雄叫びが、起死回生の一手となるか、まだまだ予断を許しません。
今回の参議院選挙で比例区に候補者を立てている政党
自民党
立憲民主党
公明党
日本維新の会
国民民主党
日本共産党
れいわ新選組
社会民主党
NHK党
維新政党・新風
幸福実現党
ごぼうの党
参政党
新党くにもり
日本第一党
