VRプラットフォームのOculusを提供するMetaは、これまでOculusのログイン時にFacebookアカウントを必須にしていましたが、2022年8月からFacebookアカウントを使わず新しいアカウントでログインできるようにすると発表しました。

Metaアカウントのご紹介: VRでの新しいログイン方法

https://www.oculus.com/blog/meta-accounts/

Introducing Meta Accounts and Meta Horizon Profiles for VR | Meta

https://about.fb.com/news/2022/07/meta-accounts-and-horizon-profiles-for-vr/



Metaによると、2022年8月から「VR利用時に柔軟で管理がしやすい、Metaの新しいアカウント機能」を導入する予定だとのこと。これは既存のソーシャルメディアであるFacebookファーストではなく、メタバースファーストに移行する一環だとのこと。

マーク・ザッカーバーグCEOは「2022年8月からQuestにログインするのにFacebookアカウントは不要になります。VRヘッドセットで使用できる新しいMetaアカウントを公開します。これにより、メタバースにどのように表示されるかについて、誰もがより多くの選択肢を与えられることとなります」とコメントしています。



OculusはもともとVRヘッドセットであるOculus Riftを開発するVR企業で、2014年にFacebook(現・Meta)によって買収されました。買収段階ではデベロッパー向けのプロトタイプをリリースする段階でしたが、Oculusはその後にOculus GoやOculus Quest、Oculus Rift S、Oculus Quest 2をリリースし、同時にVRコンテンツプラットフォームとしてOculus Storeをオープンしました。

Oculusは当初Facebookの傘下でありながら独立した運営が行われていましたが、2020年に「Oculus製デバイスにログインする際にFacebookアカウントが必要になる」と定められました。

Oculus製デバイスのログインにFacebookアカウントが必要に、旧Oculusアカウントのサポートは2023年1月まで - GIGAZINE



しかし、実名制ソーシャルメディアであるFacebookのアカウントを強制することはユーザーからの強い反発を招き、Oculus製品をFacebookアカウントから解放するツールが登場するまでに至りました。Metaも「Meta QuestへのログインにFacebookアカウントを使用する必要があると発表した際、Questコミュニティから多くのフィードバックをいただきました」と述べており、Facebookアカウントの強制が不評だったことを示唆しています。

Metaアカウントの作成には、利用者の名前・メールアドレス・電話番号・支払情報・生年月日の登録が必要だとのこと。また、13歳以上(スペインと韓国のみ14歳以上)であることが求められます。Metaアカウントの情報は公開されず、従来のOculusアカウントに近い位置付けになる模様。

Metaアカウントでのつながりは、Facebookのように友達申請してつながるのではなく、Instagramのように「フォロー/フォロワー」で管理することになります。MetaアカウントにFacebookアカウントやInstagramアカウントを紐付けて使うことも可能ですが、もちろん一切紐付けずに使うこともできるとのこと。

なお、2023年1月でサポートが終了するOculusアカウントとFacebookアカウントをすでに連係している場合、または初めてMetaのVRデバイスを使用する場合は、MetaアカウントとMeta Horizonプロフィールの作成が必要になるそうです。

Meta Horizonプロフィールは、Metaが提供するメタバースプラットフォーム「Meta Horizon」用のプロフィールで、アバターやプロフィール写真、ユーザーネームなど、自分が他の人からどう見えるのかをカスタマイズする設定です。このプロフィールはMetaアカウントに紐付けられるとのこと。

また、Metaは「全員にオープン」「友達と家族」「自分1人」という3つのプライバシーオプションを設定できるようにすると述べています。これにより、自分の投稿した写真やアバター、メッセージなどをオープンにする相手を選択できるようになるとのことです。