『ロード・オブ・ザ・リング』3部作のゴラムと『スター・ウォーズ』新3部作のジャー・ジャー・ビンクス
 - New Line Cinema / Lucasfilm Ltd / 20th Century Fox / Photofest / ゲッティ イメージズ

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 豪華対談本「SF映画術 ジェームズ・キャメロンと6人の巨匠が語るサイエンス・フィクション創作講座」で、映画『スター・ウォーズ』シリーズのジョージ・ルーカス監督が、新3部作のジャー・ジャー・ビンクスと『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのゴラムのつながりについて語っている。

 『スター・ウォーズ』シリーズで既存の撮影技術を大きく進化させ、VFX制作会社ILMを設立してデジタル技術も開発したルーカス監督。「ジャー・ジャー・ビンクスはあいにくファンから総スカンを喰らったが、彼は実際に演技をして会話もする最初のデジタルキャラクターだったんだよ」と切り出すと、『ロード・オブ・ザ・リング』1作目の制作ではWETAデジタル(ピーター・ジャクソン監督らが設立したニュージーランドのVFX制作会社)にILMのスタッフを送り込んで手伝っていたと明かす。

 「WETAデジタルが当初作り出せたのは、ゴラムの顔の表情だけだったんだ。で、私たちがジャー・ジャー・ビンクスをモーション・キャプチャー(実際の人物や物体の動きをデジタルデータとして保存する技術)で生み出した後、『ゴラムでもこのやり方が使える』と、伝えたんだ」とルーカス監督。片やファンに毛嫌いされ、片や愛されるという正反対の存在となったジャー・ジャーとゴラムだが、ゴラム誕生にはジャー・ジャーの貢献があったのだ。ホスト役のジェームズ・キャメロン監督は「ゴラムを見たとき、何年も温めてきた『アバター』の企画がもう実現できると悟ったんだ」とそうして生まれたゴラムが『アバター』を作り始めるきっかけにもなったと応じている。

 ルーカス監督はこのほか、自分なら『スター・ウォーズ』エピソード7〜9で何を描くつもりだったか、ディズニーにルーカスフィルムを売却したことで幻となった続3部作構想や、そのインスピレーションの源なども詳しく明かしている。

 同書にはルーカス監督以外にも、スティーヴン・スピルバーグ監督、リドリー・スコット監督、クリストファー・ノーラン監督、ギレルモ・デル・トロ監督、俳優アーノルド・シュワルツェネッガーが登場。キャメロン監督とSF映画の過去・現在・未来についてとことん語り合っている。(編集部・市川遥)

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