【セルジオ越後】アジア制覇に王手のレッズ。上海上港戦は代表戦より見応えがあった
ACLの準決勝でレッズが上海上港との激戦を制し、決勝進出を果たしたね。アウェーでの第1戦は柏木の同点弾で1-1と引き分けて、ホームで迎えた第2戦はラファエル・シルバが挙げた虎の子の1点を守り切り、トータルスコア2-1で難敵を下した。
上海上港はグループステージでも戦っているだけに、レッズは相手をよく研究できていたと思う。とにかく、オスカールとフッキを封じる。警戒すべきはこのブラジル人で、彼らにボールが入れば、レッズの選手たちは必ずと言っていいほど、ふたりを素早く囲い込み、激しいディフェンスで仕事をさせなかった。
その他の中国人選手たちは、正直、そこまで怖さはなかったし、エウケソンも今ひとつのパフォーマンスだった。上海上港はどこか感情的になっていたようにも見えて、焦りもあったのか、自滅した感じだよね。
オスカールもフッキも、今やセレソンではないわけで、全盛期のキレはなかったよね。そんなふたりに頼り切りの上海上港は、ある意味、戦いやすかったのかもしれない。
もっとも、マウリシオが加入して強度が増したレッズの守備は安定感があり、簡単に隙を与えなかった。フッキの強烈なFKやエウケソンの至近距離からのシュートなど、何度か危ない場面があったけど、GK西川がファインセーブで失点を許さなかった。
攻撃面はセットプレーでゴールを奪った以外にも、カウンターから良い形を作ることができていた。“横綱相撲”ではなかったとはいえ、危なげない勝利だったと思うよ。
ただし、ACLは優勝しないと意味がない大会だ。クラブワールドカップに出られるのは、頂点に立った1チームだけ。準優勝では、レアル・マドリーや本田のいるパチューカとは対戦できない。“10年ぶりの決勝進出”という見出しを目にしたけど、僕が見たいのは10年ぶりの“優勝”だ。
日本勢として久しぶりのアジア制覇に王手をかけたのは評価したいけど、何かを手にしたわけではない。喜ぶのはまだ早すぎるよ。
【ACL 浦和1-0上海 PHOTO】R・シルバの決勝ヘッドで浦和が10年ぶりのACL決勝進出
今季のレッズは、リーグ戦はすでに優勝の可能性が消滅し、ルヴァンカップは準々決勝で敗退、天皇杯は4回戦を突破できなかった。タイトルを獲るには、このACLしかない。
上海上港戦は、そうした強い意気込みや、選手たちの高いモチベーションが十二分に感じられたグッドゲームだった。はっきり言って、先日のキリンチャレンジカップよりも見応えがあったね。いろいろと難しい部分はあるのだろうけど、こういう試合こそ地上波のゴールデンタイムに放送してほしいよ。それだけの値打ちは間違いなくあった。
だからこそ、この試合の観客動員数が約4万人というのは、少々寂しい気がするよ。平日のナイターだったことを考えれば、まずまずの数字だとは思うけど、雨が降る日が続いていたにもかかわらず、試合当日だけは晴れたからね。
せめて5万人は来てほしかったし、それだけ多くの人に現地で見てほしかった。実際にチケットを買って観戦したサポーターやファンは、満足したはずだよ。
視察に訪れていたハリルもレッズの健闘を称えていたようだけど、自分が指揮するチームでも、こういう戦いを見せてほしいよ。
上海上港はグループステージでも戦っているだけに、レッズは相手をよく研究できていたと思う。とにかく、オスカールとフッキを封じる。警戒すべきはこのブラジル人で、彼らにボールが入れば、レッズの選手たちは必ずと言っていいほど、ふたりを素早く囲い込み、激しいディフェンスで仕事をさせなかった。
その他の中国人選手たちは、正直、そこまで怖さはなかったし、エウケソンも今ひとつのパフォーマンスだった。上海上港はどこか感情的になっていたようにも見えて、焦りもあったのか、自滅した感じだよね。
オスカールもフッキも、今やセレソンではないわけで、全盛期のキレはなかったよね。そんなふたりに頼り切りの上海上港は、ある意味、戦いやすかったのかもしれない。
もっとも、マウリシオが加入して強度が増したレッズの守備は安定感があり、簡単に隙を与えなかった。フッキの強烈なFKやエウケソンの至近距離からのシュートなど、何度か危ない場面があったけど、GK西川がファインセーブで失点を許さなかった。
攻撃面はセットプレーでゴールを奪った以外にも、カウンターから良い形を作ることができていた。“横綱相撲”ではなかったとはいえ、危なげない勝利だったと思うよ。
ただし、ACLは優勝しないと意味がない大会だ。クラブワールドカップに出られるのは、頂点に立った1チームだけ。準優勝では、レアル・マドリーや本田のいるパチューカとは対戦できない。“10年ぶりの決勝進出”という見出しを目にしたけど、僕が見たいのは10年ぶりの“優勝”だ。
日本勢として久しぶりのアジア制覇に王手をかけたのは評価したいけど、何かを手にしたわけではない。喜ぶのはまだ早すぎるよ。
今季のレッズは、リーグ戦はすでに優勝の可能性が消滅し、ルヴァンカップは準々決勝で敗退、天皇杯は4回戦を突破できなかった。タイトルを獲るには、このACLしかない。
上海上港戦は、そうした強い意気込みや、選手たちの高いモチベーションが十二分に感じられたグッドゲームだった。はっきり言って、先日のキリンチャレンジカップよりも見応えがあったね。いろいろと難しい部分はあるのだろうけど、こういう試合こそ地上波のゴールデンタイムに放送してほしいよ。それだけの値打ちは間違いなくあった。
だからこそ、この試合の観客動員数が約4万人というのは、少々寂しい気がするよ。平日のナイターだったことを考えれば、まずまずの数字だとは思うけど、雨が降る日が続いていたにもかかわらず、試合当日だけは晴れたからね。
せめて5万人は来てほしかったし、それだけ多くの人に現地で見てほしかった。実際にチケットを買って観戦したサポーターやファンは、満足したはずだよ。
視察に訪れていたハリルもレッズの健闘を称えていたようだけど、自分が指揮するチームでも、こういう戦いを見せてほしいよ。