小林よしのり、山尾バッシングを“同調圧力”と批判するも理由が的外れ?

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 弁護士男性との不貞疑惑により民進党を離党した山尾志桜里議員。メディアと有権者からのバッシングが続くなか、小林よしのりが擁護の論陣を張っている。

 小林はニュースサイト「BLOGOS」に9月11日付で寄稿した記事に置いて、写真週刊誌「FLASH」に弁護士男性の写った写真を提供する代わりに自分のコメントを載せてもらい、バッシング一色の記事を中和したと説明。その寄稿の中で小林は「記事自体はやっぱり八つ墓村の因習住民の内容」と語り、山尾氏に関するスキャンダル報道に苦言を呈した。その小林について週刊誌記者が首をかしげる。

「小林は山尾氏へのバッシング一色になっている状態を“同調圧力”と批判し、それを八つ墓村になぞらえています。彼は別の寄稿でも『八つ墓村の同調圧力』と書いているのですが、そもそも小説『八つ墓村』や、その下敷きになったとされる『津山事件』は、同調圧力とは無縁のはず。なぜそこを結びつけようとするのか意味不明ですね」

 小説「八つ墓村」は資産家の相続争いを巡る殺人事件を描いており、そこに戦国時代の落武者伝説や父親違いの相続人が絡んでくるという物語。舞台は小さな村ではあるが、同調圧力や村八分についての描写はない。

 また「津山事件」も、幼少時に両親を失った若者が徴兵検査で不合格になったことをきっかけに起こした殺人事件。犯人自身が遺書に「病気四年間の社会の冷胆、圧迫にはまことに泣いた」と綴るなど病苦が要因であり、同調圧力とは無縁の事件だ。

「しかも『八つ墓村』を著した横溝正史は、津山事件を下敷きにしたものの、舞台はあえて津山から遠く離れた村に設定。戦国時代の落武者という新たな要素も付け加えるなど、そこには“同調圧力”について書こうという意思はまったく見受けられません。もしや小林は『八つ墓村』の小説や映画をまったく見ていないんじゃないでしょうか?」(前出・週刊誌記者)

 この調子では、泉下の横溝正史もいい迷惑ではないだろうか。

(金田麻有)