音楽を聞くだけでパケ死もある? 「Apple Music」や「AWA」などの音楽聴き放題サービスの潜む危険と対策
米Appleは6月8日(現地時間)、最新のOSとなる「iOS 9」や、Apple Watch向け新OSとなる「watchOS 2」を発表した。
日本では深夜にかかわらず、ネットを中心に大きく盛り上がった。
だが、今回の目玉は、新OSではなく、月額料金で音楽聴き放題の「Apple Music」の登場だ。
月額9.99米ドル(おおよそ1200円)の料金で、膨大な音楽を聴き放題できるサービスだ。
いま、ネットの音楽配信は、定額の聞き放題サービスに移行が進んでいる。
日本でも、定額制音楽聴き放題サービスとして、先日「AWA(アワ)」がサービスインし、すでに多くの人が利用を開始しており評判となっている。
また、まだ詳細不明ながら「LINE」も、「LINEミュージック」を予定しているなど、2015年は「定額制の音楽聴き放題サービス」元年になるのは間違いないだろう。
しかし、音楽が聴き放題になるにともなって注意しなければならない問題がある。それは「パケ死」だ。
●1時間で50MB以上使う音楽ストリーミングサービス
「パケ死」という単語は、イマと昔では少々意味合いが違っている。
昔は、パケット通信を利用しすぎて高額な請求が発生してしまい、金銭的なダメージが発生してしまうことを指していた。
現在では、格安SIMやキャリアの最低データ利用量である2GBや3GBといったデータ通信量を使いきって、速度制限をうけてしまうことを指す。
さて、音楽聴き放題サービスはどのぐらいの通信量を使ってしまうのだろうか。
筆者が「Xperia Z3 Compact SO-02G」に、音楽聴き放題サービス「AWA」を入れ、1時間音楽を楽しんでみた。
音質は、「Low(64kbps)」「Normal(96kbps)」「High(128kbps)」のうち、「Normal(96kbps)」を選択してみた。
選択した楽曲などにも左右されるだろうが、1時間で45MB〜55MBの間を消費したのだ。
つまり、1日2時間音楽を楽しんだと仮定すると、約100MB利用することとなる。
1日100MB程度であれば、たいしたことないように感じるかもしれないが、これを1か月に換算するとどうだろう。
30日で、おおよそ3GBとなり、最近の格安SIMや最小データ通信プランであれば、じゅうぶん「パケ死」できる容量となるのだ。
今回は「AWA」で試してみたが、ほかの音楽聴き放題サービスも似たような現象は発生すると予想される。
●格安SIM利用者や少量データ定額制は要注意
定額制の音楽聴き放題サービスで「パケ死」してしまう人は以下のようなケースだ。
・格安SIM利用者(主に月間1000円程度の契約のばあい)
・2GBなどの少量データ定額制契約者
である。
YouTubeなどの映像を観る場合は、データ量をじゅうぶん注意している人でも、映像のない音楽では、データ消費量に注意している人は少ない。
その際に、上記のような契約をしている人は、音楽の聞きすぎでのパケ死に注意を払っておきたいものだ。
●「パケ死」を回避するにはWi-Fi利用やプランの見直しが効果的
それでは、格安SIM契約者などがぞんぶんに定額制音楽聴き放題サービスを利用するにはどうすればいいのだろう。
・Wi-Fiでの聞き放題サービスの利用
・聞き放題サービスの音質調整
・通信プランの見直し
自宅にWi-Fi環境が整っている場合は、それを利用するべきだ。
外出先では、カフェなどWi-Fiスポットが利用できる場合はそれを使おう。
次に試すには、定額制の音楽配信サービスの音質調整だ。一段階音質モードをさげることで、データ量を減らすことができる。ただ、この場合、音質も多少犠牲になることを覚悟しよう。
最後が、プランの見直しだ。
Wi-Fi対策は電車などの移動中では利用できない、音質モード対策は音質が犠牲になる可能性もある。
そういった不満がある場合は、いっそプランの見直しをしてもいいかもしれない。
月額の通信料金が少し増えてしまうが、それでも定額で音楽が聴き放題になるサービスは、楽しいし、お得であるのは間違いないからだ。
布施 繁樹
日本では深夜にかかわらず、ネットを中心に大きく盛り上がった。
だが、今回の目玉は、新OSではなく、月額料金で音楽聴き放題の「Apple Music」の登場だ。
月額9.99米ドル(おおよそ1200円)の料金で、膨大な音楽を聴き放題できるサービスだ。
いま、ネットの音楽配信は、定額の聞き放題サービスに移行が進んでいる。
日本でも、定額制音楽聴き放題サービスとして、先日「AWA(アワ)」がサービスインし、すでに多くの人が利用を開始しており評判となっている。
また、まだ詳細不明ながら「LINE」も、「LINEミュージック」を予定しているなど、2015年は「定額制の音楽聴き放題サービス」元年になるのは間違いないだろう。
しかし、音楽が聴き放題になるにともなって注意しなければならない問題がある。それは「パケ死」だ。
●1時間で50MB以上使う音楽ストリーミングサービス
「パケ死」という単語は、イマと昔では少々意味合いが違っている。
昔は、パケット通信を利用しすぎて高額な請求が発生してしまい、金銭的なダメージが発生してしまうことを指していた。
現在では、格安SIMやキャリアの最低データ利用量である2GBや3GBといったデータ通信量を使いきって、速度制限をうけてしまうことを指す。
さて、音楽聴き放題サービスはどのぐらいの通信量を使ってしまうのだろうか。
筆者が「Xperia Z3 Compact SO-02G」に、音楽聴き放題サービス「AWA」を入れ、1時間音楽を楽しんでみた。
音質は、「Low(64kbps)」「Normal(96kbps)」「High(128kbps)」のうち、「Normal(96kbps)」を選択してみた。
選択した楽曲などにも左右されるだろうが、1時間で45MB〜55MBの間を消費したのだ。
つまり、1日2時間音楽を楽しんだと仮定すると、約100MB利用することとなる。
1日100MB程度であれば、たいしたことないように感じるかもしれないが、これを1か月に換算するとどうだろう。
30日で、おおよそ3GBとなり、最近の格安SIMや最小データ通信プランであれば、じゅうぶん「パケ死」できる容量となるのだ。
今回は「AWA」で試してみたが、ほかの音楽聴き放題サービスも似たような現象は発生すると予想される。
●格安SIM利用者や少量データ定額制は要注意
定額制の音楽聴き放題サービスで「パケ死」してしまう人は以下のようなケースだ。
・格安SIM利用者(主に月間1000円程度の契約のばあい)
・2GBなどの少量データ定額制契約者
である。
YouTubeなどの映像を観る場合は、データ量をじゅうぶん注意している人でも、映像のない音楽では、データ消費量に注意している人は少ない。
その際に、上記のような契約をしている人は、音楽の聞きすぎでのパケ死に注意を払っておきたいものだ。
●「パケ死」を回避するにはWi-Fi利用やプランの見直しが効果的
それでは、格安SIM契約者などがぞんぶんに定額制音楽聴き放題サービスを利用するにはどうすればいいのだろう。
・Wi-Fiでの聞き放題サービスの利用
・聞き放題サービスの音質調整
・通信プランの見直し
自宅にWi-Fi環境が整っている場合は、それを利用するべきだ。
外出先では、カフェなどWi-Fiスポットが利用できる場合はそれを使おう。
次に試すには、定額制の音楽配信サービスの音質調整だ。一段階音質モードをさげることで、データ量を減らすことができる。ただ、この場合、音質も多少犠牲になることを覚悟しよう。
最後が、プランの見直しだ。
Wi-Fi対策は電車などの移動中では利用できない、音質モード対策は音質が犠牲になる可能性もある。
そういった不満がある場合は、いっそプランの見直しをしてもいいかもしれない。
月額の通信料金が少し増えてしまうが、それでも定額で音楽が聴き放題になるサービスは、楽しいし、お得であるのは間違いないからだ。
布施 繁樹