今やIT製品ではなくファッション品?本当に使うためのリストバンド型活動計の選び方

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身体につける「ウェアラブルデバイス」と呼ばれる製品が増えている。その最も身近なものがリストバンド型ガジェット(活動計)だ。腕輪のように腕に巻き付けスマホと無線接続し、装着した人の活動をモニタして健康管理などに利用できる。リストバンド型活動計はドコモなど各通信キャリアや、専門メーカーのJawboneやFitbit、Nikeなどスポーツ製品メーカーなどからも販売されている。

リストバンド型活動計を腕にはめておけば、毎日の歩数を計測して消費カロリーを計算、ダイエットなどにも役立てることができる。また就寝中の身体の動きを検知して日々の睡眠状況をチェックするなど、手軽に自分の健康状態をチェックすることもできる。これまで健康管理は面倒だとか、興味が無かったという人でも手軽に利用できることから利用者は世界中で着実に増えている。


東芝の「WERAM1100」は超消費電力だけが特徴ではない


気が付けば、あふれかえるほど製品数が増えているリストバンド型活動計。各社は、差別化を図って、様々な機能を謳い自社製品を大きくアピールしている。
たとえば東芝だ。この8月に発表したばかりの「WERAM1100」は1回の充電で2週間も利用できる。長期の旅行時でも充電する必要が無く、充電のために腕からはずす必要も無い。長年半導体の開発に携わってきた東芝の省電力技術が生かされた製品だ。

だが、このWERAM1100で注目したいのは、省電力だけではない。男性にも女性にも、そしてスーツにもカジュアルウェアにも似合うパステル調で落ち着いた4色のカラーバリエーションを用意している点だ。

リストバンドは毎日身に着けているものだけに、女性にとっては自分の洋服とのコーディネートも重要だ。またビジネスパーソンであればスーツの裾から派手な色のリストバンドが目立つようでは仕事の場にはそぐわない。


9色ものカラバリを備えるソニーの「SmartBand SWR10」


実は、今や各社のリストバンド型活動計は、豊富なカラバリが当たり前となっている。また本体のデザインもスリムにしたり、テクスチャを入れたりと、野暮ったくならないような工夫を凝らした製品を用意しているのだ。

初期のリストバンド型活動計は、黒や派手な単色で太いゴムバンドのようなデザインが当たり前だったが、今ではファッションアイテムのようにデザインに配慮したセンスの良い製品に変化してきているのだ。

●リストバンドは、機能で選ぶものなのか?
ではリストバンド型活動計を買おうと思った時に、どれを選べばいいのだろうか?
機能を比べると各社の製品それぞれに特徴がある。また連携するスマホアプリによっても選択を迷うという人も多いだろう。

しかし、リストバンド型活動計に、それほど機能を求める=必要とする人は、どれだけいるのだろうか。多機能であっても、それらの機能をすべて使いこなすとは、ほとんどないのではないだろうか。

そんな使うかわからないオプション機能を比べるよりも毎日自分が腕にはめて生活し、学校や会社に行く姿を想像したほうがいいだろう。

そう、つまりリストバンド型活動計は、機能で選ぶよりも、自分が毎日、身につけて付けられるかどうかという、デザインで選んでもいいものなのだ。
製品間の機能差はどうであれ、日々の行動記録を保存するという機能はどの製品もほぼ同じことができるからである。

あるいは値段でどれを買うかと単純に決めてしまうのも悪くない。もちろん値段が高い製品のほうが高機能だろうが、上をみればきりが無くなり、選択を誤るのはあらゆるIT製品でありがちなことだ。


中国では1300円のリストバンド型端末「Mi Band」も登場、手軽に使い始められる


どんなに高機能、高価格なリストバンド型活動計を購入しても、すぐにもっとよい製品は発売されるのがガジェットの世界だ。
それならば、機能に振り回されず、「毎日腕にはめて外出したくなる」、そんなお気に入りのデザインのリストバンド型活動計を買って、使い倒したほうが日々の生活が楽しく、自分の健康にも役立つのではないだろうか。

リストバンド型活動計は、今やIT製品としてではなく、ファッションのアクセサリと考えて買う時代になりつつあるのだ。


山根康宏