トルコへの売却が決まった中国の防衛ミサイル「紅旗9(輸出仕様はFD−2000)に、日本製の部品が使われていることが分かった。中国国内では自国の武器について「産業の基礎領域が他者の制限を受けている」などと嘆きの声が上がった。中国新聞社などが報じた。

 トルコの防衛ミサイル導入では、米国のパトリオット、欧州のアスター、ロシアのS−400も競争入札に参画していた。FD−2000が選ばれたことで、中国では「米国とソ連を撃破して勝利」などとして大きく報道された。契約金額も40億ドル(約3949億円)と大きく、中国の防空兵器が初めて北大西洋条約機構(NATO)に輸出されたことも注目された。

 しかし写真から、「紅旗9」には日本製の部品が使われていることが分かった。リミットスイッチという、電気スイッチの一種という。

 中国では、「わが国の潜水艦にも、日本の某社が生産しているレーダーが用いられている」、「国防安全上の懸念事項」などの声が上がった。

 また、軍事産業だけでなく「中国は20年近くをかけ、重工業産業の分野で大きな進歩をみた。しかし、半導体など集積回路、精密電子機器などを主とする電子部品産業、新素材などを主とする材料加工分野では日本、韓国、欧米などと大きな差がある」、「炭素繊維、電子部品、半導体は長期にわたり、日本や韓国からの輸入に頼っている」との指摘も出た。

 そのため「輸出を禁止されたら、どのようなことになるか、想像するだけでも大変なことだ」として、「国家の安全上の欠落店として、中国人に突き付けられた問題」であり、「日韓の産業への依存を脱却することが緊急の課題」という。(編集担当:如月隼人)