理屈は重々承知している。我々は一部の例外を認める事によって、後続するあらゆる犯罪をも認める事になる。いわゆるスタンフォード大学教授が説き、ニューヨーク市がその身を持って実践した「Broken Window《窓割れ》」理論が、多くの場合、人間の活動に当てはまるというものだ。

しかし、そもそも「例外」を定義する「規則」の方が、犯罪を抑制するにはあまりに力なく、そして欠伸が出るほど退屈だったとしたら?その時には、我々は規則の方を見直すか、あるいは例外を認めなければならない。でなければ、社会はコンクリートのように凝り固まり、沈滞する。

至極残念なニュースが報じられた。22日、小田急電鉄(東京・新宿区)が「ドラえもん」や「パーマン」など、漫画家の藤子・F・不二雄さんの人気キャラクターで彩られたラッピング電車を廃止すると発表した。

これは今月開館した「川崎市藤子・F・不二雄ミュージアム」(川崎市多摩区)をPRする目的で企画されたもので、本来であれば来年8月まで運航する予定であった。街の人々の目を楽しませていた電車に水を差したのは、「東京都屋外広告物条例」という規則。東京都側はラッピング電車をミュージアム広告と判断し、有難くも条例貫徹の正義をお示し頂いた模様である。

先述した通り、その理屈は理解している。が、実際に筆者もミュージアムへ訪問した傍ら電車を目にしたが、あの素敵な電車のどこに犯罪性があるのだろうか。あの電車を見た途端、急に痴漢でも働きたくなるだろうか。今後、次々に違法な広告電車が登場するだろうか…。

少なくとも、筆者はそうは思わない。東京都と小田急側は、何らかの妥協点を議論し合い、存続する可能性を見出すべきではなかったのか。筆者は今回の"お役所対応"ついて、またも大いに日本の管理層を失望せねばならなかった。

いや、そのりくつはおかしい


ドラえもんの名言である。

【記事:G・Joe?】


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