韓国の長官が記者会見でiPad使用、国内に搬入不可のはずなのに…?

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韓国の柳仁村(ユ・インチョン)文化体育観光部長官が、記者会見の場でアップル社のiPad(アイパッド)を使用したことから韓国で物議をかもしている。

韓国の報道によると、ユ長官は26日午前、文化部記者室で開かれた「電子出版育成方案」で、iPadを使用しながら記者会見を行った。その姿がインターネットに掲載されると、ツイッターやコミュニティーサイトを中心に「iPadを使うのは違法ではないのか?」と非難の声が殺到した。

現在米国で大ヒットしているiPadは、予想を上回る需要で品薄となり、米国以外の国々では発売が5月末からとなっている。しかも、韓国の関税庁は、iPadが韓国電波研究所の認証を受けていないことから通関禁止にしている状態で、これに反して国内に搬入した場合は、最高2000万ウォン(約170万円)の罰金が課せられる。

国民は関税庁の方針に大きな不満を抱いているわけだが、このような状況の中での長官によるiPad使用。当然、非難の声が相次いだ。

ネット上で騒ぎが大きくなると、文化部は「電子出版に関する会見だったので、理解を深めるため会場にiPadなどを展示した。ユ長官は、その中から画面が大きくて見やすいiPadを手にして紹介しただけ」と説明。さらに、「該当の機器(iPad)は、研究目的のために搬入したものである」とし、違法ではないことを強調した。

違法ではないとはいえ、国内にまだ搬入が許可されていない外国の製品を、公の場で使用するのは不適切だと指摘する声は多い。

「一体何の研究をするんだ?」「訴えるべき」「検察が調査しろ」「私も研究目的で買いたいんだけど…」といったコメントが数多く書き込まれているほか、一部のネットユーザーの間では、ユ長官を違法使用で申告する動きが進んでいるようなので、事態の収拾までしばらく時間がかかりそうだ。


参照:文化部「ユ・インチョン長官が使ったiPadは研究目的用」 - アジア経済


(文:林由美)

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