バブーンというヒヒ猿をご存知だろうか。ケープ半島には400匹を超えるバブーンが生息している。このバブーンが街中に出没すると、電線や泥棒よけの電流が流れるフェンスでの感電死、銃殺、車による轢死などの人害で命を落とすことがある。しかしそれ以上にバブーンは獰猛且つあつかましいのだ。

ケープ半島に生息するバブーンは図々しい。彼らは家宅侵入はお手の物、食糧を漁り、観光客に牙をむけるという荒々しい行為に出ている。襲われると耳をかじられたりする危険もあるため、下手に手出しもできない。

今回、ケープタウン環境委員会ではバブーンから市民や観光客を守るため、都市周辺にバブーン制限区域を作る権利を課すことを考えている。環境委員会は環境団体、NGO、市民団体などに話を進めてはいるものの、どの場所が喜んでバブーンのために土地を渡してくれるものだろうか。

バブーンの被害は都市全体に広がっている。都市郊外に越してきた人はバブーンについてよく知らないことが多い。知らない土地に引越してきてバブーンから手痛い洗礼を受けるということはよくあることだという。またバブーンは松やフルーツの木、ブドウ畑のような外来植物を好むといわれている。果実を庭に植えることは彼らに招待状を送るようなもの、バブーンが喜んで破壊しにやってくると環境委員会は述べている。

住民はバブーンの格好の的とならないために、ゴミの処理や食後の皿をそのままにしておかないように充分気をつける必要がある。また、軽々しくバブーンに餌を与える人には罰金などの厳しい法的処置を取ることも今後必要となってくる。

本来こういった保護区に関することは市ではなく、州や国家が行なうべきもので、バブーンについてもどちらかが主導権を握るべきだ。バブーンが闊歩しているテーブルマウンテン国立公園では、国立公園外の保護に従事する法的権限はないので、公園内はともかく、制限区域についてはノータッチとなる。しかも、動物の規制を取り締まるというのは本来の国立公園としての概念とは相反するものになってしまう。

またケープタウンから南下した「トカイ(Tokai)」エリアにある国立公園は、1キロ四方14匹のバブーンといわれるほどバブーン密度の濃い場所がある。

制限区域を作ることは市民のためにもバブーンのためにもいいことなのかもしれないが、さて一体どこに作る? それが問題である。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)

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