今回の【ドラマの女王】はNHK朝の連続小説『だんだん』2回目。かわいい「マナ・カナ」ちゃんには何の落ち度も無いけれど、勝手に“枝が広がりすぎ”の迷走ストーリーについて行けなくなって、毎朝見るのをためらっていた方々もけっこういるのでは?でもご安心を。ラストの3月に向けてお話が少々軌道修正されてきたようだ。このドラマをつまらなくしていた戦犯をたたき出してみた。


双子デュオとしてデビューした、生き別れの双子めぐみ(三倉茉奈)とのぞみ(三倉佳奈)。ツアー初日、祇園を捨てたのぞみが舞妓の着物を着られずに引退&解散宣言。大借金を抱え苦悩するスカウト兼プロデューサーだった石橋(山口翔悟)を励まし、共に医療福祉の道を目指すことになっためぐみ。(雑なあらすじでご勘弁を。)

かしまし娘三女・正司花江をはじめとするボランティア先の老人ホームのお年寄りたちと、やさしく触れ合うめぐみ。暗い時代の若者が介護に希望を見出す姿を三倉はイキイキと演じる。朝から気持ちいい。

一方、双子デュオでも舞妓さんでも無くなってしまったのぞみ(お鼻が低い方の三倉。)は、元々はめぐみの友達で「シジミジル」のリーダーだった康太(久保山知洋)と大阪のキャバレーなどで「ドサまわり」の日々。そこへ舞妓の妹分だった美香(伊藤麻衣)が踊りの稽古がつらくて祇園から逃げてくる。それがキッカケでのぞみは祇園に戻ってまた舞妓を続けることになる。

期待していた、「水揚げシーン」も無く、また祇園の道に戻ったのそみ。あまり踊ってないけれど、踊りのシーンは見せ方がきれいだ。

三倉茉奈と三倉佳奈は歌も演技も上手だし、さわやかで文句のつけようがない。

このドラマがなんだかパッとしないのは、主人公の双子よりも目立ちすぎる父(吉田栄作)と、かつての朝ドラ『ひらり』(1992年)の輝きを失った元アイドル女優・石田ひかりの演じる花雪(はなゆき)のせいである。この二人がドラマ全体を盛り下げている。

たとえばこの父役が、“温水洋一”だとか、“池乃めだか”だとかの「ショボイおっさん」だったら、松江の母(鈴木砂羽)も夢花に“のし”を付けて夫を返すところだが、吉田栄作が“カッコ良すぎるため”に心迷う。ここだけ古いトレンディドラマみたいなのだ。
この3人の「情の濃い関係」が整理されないために、双子たちの恋愛(石橋、康太)が引き立たない。

吉田は、ライブハウスのマスター役を演じるMr.オクレと役を変われば良かったのではないか。ついでに、漁師の妻にしては色っぽすぎる鈴木砂羽も、芸者にしては“華の無い”石田ひかりと役を変わればよかったのではないか。

それぞれのポジションに戻った、めぐみとのぞみ。来週からは3年後のお話が展開する。広がり過ぎた物語の枝葉をどうやって切り落としていくのか、残すところあと1ヶ月弱、やっと目が離せなくなった『だんだん』である。

(編集部:クリスタルたまき)
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