荒川静香のイナバウアー

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トリノ五輪、金メダリスト荒川静香の得意技「イナバウワー」が改めて注目を浴びている。サッカーでは、フランス2部リーグで活躍する大黒のスルーパスを一部報道が「イナバウアー・パス」とし、そのプレーの鮮やかさを表現。何かと話題の杉村太蔵衆議院議員も自身のブログで「 杉村太蔵もイナバウアーに挑戦します」と豪語するなど、数カ月前まで耳慣れなかった言葉が、流行語と化している。

 そもそもイナバウアーと旧西ドイツのフィギュアスケーター、イナ・バウアーが開発した技だ。1ストローク中に長い距離、長い時間を同じ姿勢を保ったまま滑る「ムーブ・イン・ザ・フィールド」の1つ。両足のつま先を外側に大きく開いたまま横に滑る「スプレッドイーグル」を変形させ、一方のヒザは曲げ、もう一方の足は後ろに引いて伸ばした姿勢で、両足のつま先を外側に大きく開いて横に滑ることが「イナバウアー」とされる。

 荒川がトリノで見せた技は上体を反らしているが、「上体を反らすこと」=イナバウアーではない。だが、荒川の演技はあまりにも鮮やかだったため、誤解している人も少なくないだろう。

 “ジャンプ系”以外で、ここまで有名になったフィギュアスケートの技は例がなく、06年も始まったばかりだが、年末に発表される流行語大賞の最右翼と言っても過言ではないだろう。