目的までの手段や方法がは何通りもあることを表す「すべての道はローマに通ず」という言葉は、ローマ帝国時代には首都ローマへの道が非常によく整備されていたことが語源となった言葉です。「本当にすべての道はローマに通ずるのか?」を目で見て確かめられる地図「Roads to Rome」が公開されています。

Roads to Rome

http://roadstorome.moovellab.com/maps/roads-to-rome/

An Interactive Map Shows Just How Many Roads Actually Lead to Rome | Open Culture

http://www.openculture.com/2018/05/an-interactive-map-shows-just-how-many-roads-actually-lead-to-rome.html

デザイナーのBenedikt Groß氏とPhilipp Schmitt氏、そしてデジタル地理学者のRaphael Reimann氏らの協力で作られたRoads to Romeは、白色の世界地図の上にヨーロッパの各地点からローマへと続く道を細い線で表しています。



製作者たちは広さ2600万平方キロメートル以上にもおよぶヨーロッパの各地に、48万カ所以上のスタート地点を設置。各スタート地点からゴールとなるローマへの最短ルートを計算するアルゴリズムを開発し、アルゴリズムが選択したルートを地図上に表示させることでRoads to Romeは作り出されているとのこと。「すべての道はローマに通ず」の言葉通り、ヨーロッパ大陸の形そのままにローマへと通じるルートがぎっしりと表示されていることがわかります。



表示される道はアルゴリズムに選択された回数が多いほど太い線で表されており、イタリア北部からフィレンツェを通るルートは、ヨーロッパ中からローマへ至る道となっていることがわかります。また、イタリアの自治州であるサルデーニャ島やフランス領のコルシカ島から大陸へ延びている直線的なルートは、フェリーが就航しているルートとなっている模様。



ローマ付近の様子はこんな感じ。拡大すると細かい都市名までしっかりと見ることができ、ローマを中心として太い主要道路、近い場所から延びる細い道路が張り巡らされていることがわかります。



離島であるサルデーニャ島にも、隅から隅までローマへと至る道が張り巡らされていました。



また、コルシカ島から隣接したサルデーニャ島へ延びる線は、2つの島の間に就航しているフェリーを通るルート。どうやらフランス領のコルシカ島からは本土のフランスを経由した方が近い地域と、イタリア領であるサルデーニャ島を経由した方が近い地域がある模様。赤枠で囲ったコルシカ島の南部は、先にサルデーニャ島へ渡り、そこからイタリア本土へ渡った方が早くローマへとたどり着けるようです。



ローマから東の方へ地中海沿いに地図を動かしてみると、地中海に浮かぶマルタ共和国やギリシャの島々にも、ちゃんとローマへの道が通っていることがわかり……



ヨーロッパ大陸からボスポラス海峡を渡ったトルコに至るまで、まるで毛細血管のように道が張り巡らされていました。



Roads to Romeのスタート地点の南端はトルコ国内、そして東端はロシア国内にある東経44度付近になっている模様。東経44度付近を境にすっぱりと道路が途絶えています。



スカンディナヴィア半島に位置する北欧諸国からも、しっかりとローマへの道が延びていました。



スカンディナヴィア半島北端に位置するノルウェーのマゲロイ島からも、ローマへはたどり着ける模様。



イギリスやアイルランドからは、ドーバー海峡を結ぶ英仏海峡トンネルを通ってローマへと行くことが可能で……



ヨーロッパ大陸から遠く離れたアイスランドからも、離島を経由してローマへたどり着くことができます。



ヨーロッパ大陸西端となるスペインやポルトガルは、陸続きというだけあってアフリカ大陸との間にあるジブラルタル海峡の端までローマへの道が張り巡らされていました。



Roads to Romeはヨーロッパのどこからでもローマへとたどり着けると感じさせてくれ、見ているだけでワクワクしてくるような地図となっていました。