巨大隕石の所有権は誰の手に

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 シルクロードで知られる中国新疆ウイグル自治区に落下した17.8トンもの隕石の所有権をめぐって、発見者と同自治区政府の双方が所有権を主張、自治区政府側が隕石を無断で持ち去ったことに抗議して、発見者とその息子が訴訟を起こした。判決は今後半年以内に下されるという。一部の隕石コレクターは、これまでの売買例から、この隕石全体の値段を3億2000万ドル(約384億円)と想定しており、どのような判決が下されるかが話題になっている。

 中国では土地の所有権は国家にあり、土地の使用権が個人や企業に付与されることから、このような隕石の所有権がどちらにあるのかは判然とせず、隕石の所有権をめぐる判決が下されれば初のケースとなる。香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」が報じた。

 この隕石は1986年8月、同自治区の少数民族であるカザフ族の遊牧民のA氏が牛などを放牧している際、発見した。

 A氏は専門家に依頼して、この石の成分を調べてもらったところ、ケイ素や鉄分などを含有しており、宇宙からの隕石であることはほぼ間違いないと分かった。

 その後、手を尽くして、この値段も調べたところ、一部のコレクターから「3億2000ドル」との返事をもらった。このため、近隣の住民らにうわさが伝わり、インターネットで情報が拡散。この情報が同自治区政府の関係者にも伝わったことから、政府関係者が現場に駆けつけ、A氏に無断で隕石を運び去ってしまったという。

 このため、A氏は上海市に事務所を持つ弁護士に依頼して、裁判所に提訴。このほど審理が終わり、今後半年以内に判決が下される予定だ。

 しかし、18トン近い隕石とはいえ、これほどの値段がするのかについて、同紙が米国の専門家らに取材した。それによると、これまでの例では隕石1グラムは平均して1ドル45セントで取引されており、17.8トンだと「2400万ドルになる」というものから、「全部でせいぜい3万ドル」というものまでまちまちだったという。

 同紙は今後の判決の見通しとして、中国の専門家の見解として、「中国では、所有権などの問題では、個人の言い分よりも政府の見解が重視される傾向が強い」と報じている。