Omnicom傘下のデジタルマーケティング部門Resolution Mediaがソーシャルメディア広告報告書「Social Trends Report」を発表した。同社のクライアントを対象に調査を行ったもので、FacebookとTwitterの2大ソーシャルメディアに対する広告支出はFacebookが3割近く高いが、効果はTwitterが上という結果になった。

20社以上の自社クライアントについて2013年のソーシャルメディアでの広告支出を調べた。Resolution MediaはMcDoland’s、Pepsi、Hertz、Hewlett-Packardなどを顧客に持ち、今回の調査では法人・消費者向けサービス、消費財、財務サービス、メディア、小売業、技術、旅行などの業界の顧客企業を対象とした。2013年、これらの同社顧客がFacebookやTwitterといったソーシャルメディア上での広告展開に割いた金額は、合計で3700万ドルに達したという。

広告キャンペーンを展開するソーシャルメディアサービスとしては、Facebookが最多で、Twitterよりも3割多い金額(127%以上)が費やされたという。年末商戦を含む第4四半期はキャンペーンが増えたことから、2社の差は159%に広がったという。Facebookについては、さまざまなフォーマットの広告サービスをベータやアルファとして試験提供しており、これらの利用も増えた。多くがFacebookでの広告をKPI(重要業績評価指標)からみてよい効果と判断しているとのことだ。

一方で2013年はTwitterへの投資が増えた年であり、Twitterの方がインプレッション(広告表示回数)やクリック単価はよいと報告している。なお、それぞれのサービスのユーザー数は、Facebookが約12億人、Twitterは約2億4000万人程度だ。「Facebookは到達できるリーチが広いが、TwitterはCTR(クリックスルーレート)に優れる」と同社は分析している。

第1四半期から第4四半期まで各四半期の各業界の支出を比較した場合、メディア業界がFacebookを130%増加、Twitterを8%減少させたが、小売りはFacebookは94%増、Twitterは257%増、法人・消費者向けサービスはFacebookが211%増、Twitterは361%増と、Twitterへの支出を増やしていることが分かった。

(末岡洋子)