フランス人女性が、ブログ「La Geekette」でハチ公の映画について記した。(イメージ写真提供:(C)  thaifairs/123RF.COM)

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 フランス人女性が、ブログ「La Geekette」でハチ公の映画について記した。

 筆者は最近、日本のハチ公をモデルに制作された映画「HACHI 約束の犬」をビデオで見たという。同映画は、日本映画「ハチ公物語」の米国でのリメイク版。ハチは、「忠犬ハチ公」の名で知られる秋田犬で、飼い主が亡くなった後も7年間、東京・渋谷駅の前で主の帰りを待ち続けた。今では渋谷の駅前に「忠犬ハチ公像」がつくられ、あらゆる世代の日本人に親しまれている。

 この映画はハチ公にまつわる美談をモデルにし、舞台を大正・昭和初期の東京から現代のアメリカ東海岸に変更した形でつくられた。筆者はこの映画のビデオを見ている間、「目に涙をためながら見ていた」と語り、「動物の話になるとどうしても繊細になってしまうが、そうだとしても、この映画は正負どちらの感情も見事に描いていた」と映画を高く評価した。

 筆者はこの映画を見て、日本独特の秋田犬にとても興味を抱いた。「崇高で大きく、それでいてもの静かで知性と誇りを感じる犬」とする一方で、「飼い主に対して大変なつきやすい一方、見知らぬ人に対しては警戒心が強い」とその特徴を分析した。

 また筆者は、「HACHI」の主演を務めたリチャード・ギアが、秋田犬についてインタビューで語ったことを紹介した。それは、「秋田犬は、お菓子で誘惑することができるような犬ではなく、手なずけるのは難しい。一度信頼を得られると非常に強い忠誠心を示すが、近づけなければそれまでだ」というものだった。筆者はこの映画を通して、「今まで知らなかった犬の種類を知るいい機会になった」と感想を記した。

 ブログの読者には、あるフランスの地方でハチ公に関する話を知る機会があったというフランス人もおり、その物語のような話に大変感動したという声も上がった。ハチ公の話は、日本の文化の一面を伝える役割をも果たしてくれているようだ。

 狭いアパートだろうが庭付きの家だろうがおかまいなく犬を飼うフランス人にとって、冗談まじりではあるが、犬のしつけは子どものしつけより素晴らしいといわれることもある。道路に犬の糞が落ちていることを除けば、電車の中で子どもよりもおとなしく座っている犬を見るのは珍しくない。秋田犬はフランスではめったに見られなくとも、忠誠心が強いといわれる点で、犬好きの多いフランス人が飼ってみたいと思える犬のようだ。(編集担当:下田真央・山口幸治)(イメージ写真提供:(C)  thaifairs/123RF.COM)