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 ◇W杯北中米大会決勝トーナメント1回戦 オランダ1―1(PK2―3)モロッコ(2026年6月29日 メキシコ・モンテレイ)

 FIFAワールドカップ(W杯)北中米大会決勝トーナメント1回戦が29日(日本時間30日)に行われ、日本と同組の1次リーグF組を首位突破したオランダ(FIFAランク8位)がモロッコ(同7位)と対戦した。後半27分にFWハクポ(リパプール)が先制も、同追加タイムに追いつかれ、1―1のまま延長戦に突入。延長戦でもスコアは動かず、PK戦の末に2―3で敗れた。

 後半27分、速攻から均衡を破った。最後はFWシュメルビル(ウェストハム)が体勢を崩しながらつなぐと、ゴール前で受けたFWハクポが右足で泥くさく押し込んだ。両手で頭を覆い芝に突っ伏すハクポの上に、ベンチからも次々と仲間が駆け寄った。起き上がった背番号11は顔をユニホームで拭う。その目には涙が光った。

 10月に生まれる予定だった第2子となる息子が妊娠中に亡くなったことが、27日に恋人のノア・ファン・デル・ビーさんによって公表された。オランダメディアによると25日(日本時間26日)のチュニジア戦の前に起きたことだったが、「プライバシーを尊重し、そっとしておいていただくようお願いします」とメッセージを発信した27歳は、気丈に変わらず先発。今大会3得点目が、値千金の先制点を呼び込んだ。

 1次リーグ3試合は4バックで戦ったが、クーマン監督はこの試合で3バックを選択。快足のDFファンデフェン(トットナム)を左ウイングバックに投入し、相手のキーマンとなるDFハキミ(パリSG)封じに充てた。

 前半はハキミの枠内シュートやCK、FK時質の高いセットプレー時のクロスなどから好機を作られたが、GKフェルブルッヘン(ブライトン)の好セーブも光り、0―0で折り返した。

 試合開始直後から激しい接触が繰り広げられ、37分にはCKの守備時に相手選手のスパイクの裏が額に刺さったDFファンヘッケ(ブライトン)が大量出血してピッチ上でホチキスで止血の治療を受けるアクシデントも発生した。

 後半も7分にペナルティーエリア内右で縦パスを受けたハキミのシュートがクロスバーを直撃。ひやりとする場面を作られた。11分にもハキミに裏に抜け出されかけたが、シュートを打つ直前でファンデフェンが素早く寄せてブロック。見応えのあるマッチアップが繰り広げられた。

 給水タイム後の待望の先制点で2大会連続ベスト16入りが近づいたかに思われたが、追加タイムに追いつかれ、試合は延長戦に突入。延長前半7分にはGKフェルブルッヘンが相手FWラヒミ(アルアイン)の決定的なシュートを右膝で防ぎ、この日3度目のスーパーセーブを見せた。

 強固な守備ブロックを敷いてボールを支配する相手に応酬する展開の中で、延長戦のシュートはゼロ。延長後半には左足をつったハクポが交代した。決着がつかないまま突入したPK戦は先攻。互いに2人ずつ外して迎えた5人目でFWシュメルビルが相手守護神に防がれ、モロッコはサイバリが成功し、力尽きた。オランダは14年ブラジル大会、22年カタール大会に続き、W杯では出場3大会連続でPK戦に泣いた。