ゼレンスキー氏=ロイター

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 【ベルリン=工藤彩香】ポーランドのカロル・ナブロツキ大統領は19日、2023年にウクライナウォロディミル・ゼレンスキー大統領に授与した最高位の勲章「白鷲勲章」について、歴史認識の対立を理由に剥奪(はくだつ)すると発表した。

 ゼレンスキー氏は20日、対応を批判して勲章を郵便で返却した。両国関係は悪化の危機を迎えている。

 きっかけは、ゼレンスキー氏が5月、ウクライナ軍の特殊部隊に「ウクライナ起軍(UPA)の英雄たち」という称号を与えたことだ。UPAは第2次世界大戦中から戦後にかけて活動した民族主義組織。ウクライナでは、独立のためにソ連に抵抗したとして英雄視されている。一方、大戦中にポーランド人の虐殺に関与したことから、ポーランド議会はUPAの行為を集団殺害(ジェノサイド)と認定している。この歴史認識の相違は、長年両国の対立の火種となってきた。

 ナブロツキ氏は20日、国内のイベントで「ポーランド国民の痛みの限界を超えた」と剥奪の理由を説明した。ただ、19日の声明では「ウクライナ国民を標的としたものではない」とも述べ、ロシアの侵略を受けるウクライナへの支援は続ける意向を示していた。

 これに対し、ゼレンスキー氏は20日、勲章を郵送する画像をSNSに投稿。同勲章がイタリアの独裁者・ムソリーニらにも授与されたままになっていることを引き合いに、「それがポーランドの価値観であるならば異論はない」と皮肉った。ウクライナの閣僚らもポーランドから贈られた別の勲章を相次いで返却するなど、反発が広がっている。

 今回の対立は、ポーランドで25、26日に開かれる「ウクライナ復興会議」にも冷や水を浴びせた格好だ。