ゼレンスキー氏「勝利計画」公表、「25年までの戦争終結可能」

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Olena Harmash Tom Balmforth

[キーウ 16日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は16日、ウクライナ議会で演説し、対ロシア戦争を終結させる「勝利計画」を発表した。直ちに計画に着手すれば、遅くとも2025年までに戦争を終結させられる可能性があると述べた。

友好国の支援に依存する5つの柱からなり、北大西洋条約機構(NATO)加盟交渉への無条件での招待や、具体的な武器支援が含まれる。

またロシアの軍事力を破壊するのに十分な非核抑止力を獲得する必要性を強調した。詳細は明らかにしなかったが、公表できない追加条項があると述べた。

ウクライナの天然鉱物資源をロシアの攻撃から守る西側の役割や、戦後復興の約束も想定されている。

ゼレンスキー氏は「われわれはパートナーと共に状況を変え、戦争を終わらせなければならない。プーチン(ロシア大統領)が何を望んでいるかに関係なく、ロシアが和平を余儀なくされるよう全員で状況を変えなければならない」と訴えた。

「われわれは団結のおかげで戦果を上げ、今も上げつつある。従って団結を失わないようにしてほしい」と呼びかけた。

ゼレンスキー氏はこれまでも戦争の「公正な」終結を主張。ロシアに「誠実な」交渉を強いるためにこの計画が必要との考えを示し、「パートナー国から『交渉』という言葉を聞くが、『正義』という言葉はあまり聞こえない。ウクライナは外交にオープンだが、誠実なものでなければならない」と改めて主張した。

また、米欧製の長距離射程兵器を使ったロシア領内への攻撃を容認するよう改めて呼びかけた。

ゼレンスキー氏は17日にブリュッセルで開かれる欧州連合(EU)首脳会議に出席し、勝利計画を説明する。

NATOのルッテ事務総長は、ゼレンスキー氏が公表した「勝利計画」の詳細を把握しているとし、今後の対応について加盟国と連絡を取っていると述べた。

ロシア大統領府はゼレンスキー氏の計画について詳しいコメントをするのは時期尚早としながらも、ウクライナは「頭を冷やし」、政策の無益さに気づく必要があるとの立場を示した。