メッツ戦の4回、右翼フェンス直撃の安打を放つ大谷(提供・共同通信社)

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 「ナ・リーグ・優勝決定シリーズ、ドジャース9−0メッツ」(13日、ロサンゼルス)

 ドジャースが快勝で初戦を制した。大谷翔平選手はメッツの千賀滉大投手をKOに追い込む右前適時打を放つなど4打数2安打1打点。投手陣もポストシーズンで1966年のオリオールズに並んで歴代最多タイとなる33イニング連続無失点の快記録を打ち立てた。大谷は「ゲーム運びが素晴らしかった」と振り返った。

 初回にマンシーの2点タイムリーで先制したドジャース。二回には1死二塁の好機を作り、大谷が千賀の変化球を捉えて右前適時打を放った。日本人対決を制して降板に追い込むと、2死後に二盗を試みるもスタートで足を滑らせて失敗。スライディングも大きくオーバーして7月22日以来の盗塁死が記録された。これでシーズンから続いた連続盗塁成功記録は36で止まった。

 ユニホームは泥だらけになり、思わず天を仰いだ大谷。それでも四回の第3打席ではファンの度肝を抜き、MLB公式記録も混乱に陥れる一打を放った。1死一塁から変化球を完璧に捉えた打球は時速187キロの驚異的なスピードで右中間フェンスを直撃。一塁走者のエドマンが一気に生還し、適時二塁打と判定されたが、その後、記録が訂正された。

 あまりにも打球が速かったせいなのか…。シングルヒットと右翼手の失策に変更され、打点も消滅した。2打席連続のタイムリーとはならなかったが、貴重な5点目を奪った一打だ。

 六回の第4打席では追い込まれながらも低めのボールをセンターへはじき返した。飛距離120メートルの大飛球にスタンドはどよめいたが、背走した中堅手のグラブに収まると大きなタメ息に。地区シリーズで打率・200、1本塁打と状態が上がらなかったが、優勝決定シリーズに向けてしっかりと修正してきた印象だ。八回の第5打席は走者一、二塁の状況から敬遠気味に歩かされたものの、続くベッツが走者一掃の3点二塁打。メッツの息の根を止めた。

 投手陣も先発・フラーティが7回無失点の快投。リリーフ陣も無失点でバトンをつなぎ、パドレスとの地区シリーズ第3の三回から始まった連続イニング無失点記録は33に伸びた。これは1966年のオリオールズと並んでMLB歴代最長タイ記録。のべ20人でゼロのバトンをつなぎ、快記録を成し遂げた。

 試合後、大谷は「本当に1人、1人が仕事をしている。ゲーム運びが素晴らしかった」と語った。投手陣も「オフェンスに集中していればいいという信頼がある」と振り返った。この日もスタンドは超満員。「きょうもホームの試合でしたけど、ファンの歓声がすごくて自分自身がより集中できる環境だったと思います」と振り返り、「常に点をとれるわけではないですけど、自分たちのオフェンス、仕事ができれば点はとれるんじゃないかと思います。自分はオフェンスしかやってないですけど、そこに全力で集中していきたい」と力を込めた。

 4年ぶりのワールドシリーズ進出へ、大きな1勝を手にしたドジャース。投打がガッチリと噛み合った今、死角は見当たらない。