中国ファーウェイが先月、世界で初めて発売した三つ折りスマホ「MateXT」。[ウェイボー キャプチャー]

写真拡大

中国でファーウェイのスマートフォン販売台数が4年ぶりにアップルを上回った。香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストによると、中国市場で8月のファーウェイのスマートフォン販売台数が46カ月ぶりにアップルを追い抜いたと報道した。同月の中国のiPhoneなど外国製スマートフォン出荷台数が前年の214万台より12.7%減少した187万台と報告した中国情報通信技術院の調査結果とも一致すると伝えた。この期間に中国スマートフォン出荷台数は前年より26.7%増加した2405万台と集計された。

ファーウェイのMate、Puraなどプレミアムシリーズ製品が愛国消費ブームに力づけられ販売台数が増えた上に、最近世界で初めて発売した3つ折りスマートフォンの「MateXT」を求める需要が増加した影響が大きい。これに対しiPhone16は中国で異例の割引販売に出たが、発売序盤の興行成績は期待に満たずにいる。IDCによると、ファーウェイの上半期の中国市場でのシェアは17.5%でトップだがアップルは14%を下回っている。

ファーウェイは独自の基本ソフト(OS)普及を通じた生態系拡大にも速度を出している。ファーウェイは2019年5月の米国の制裁によりアンドロイドOSを使えなくなると、独自開発したOS「ハーモニー」を誕生させた。ファーウェイによると、この「OSは現在9億台以上の機器に設置された。カウンターポイントリサーチによると、ハーモニーOSは1−3月期に中国でシェア17%を占め、アップルのiOSの16%を抜いた。現在グーグルのアンドロイドの68%に次いで中国で2番目に多く使われる。通信業界関係者は「ファーウェイのスマートフォンが好調で自然にハーモニーOSユーザーが増えた影響」とみた。

次世代バージョンの「ハーモニーOSネクスト」は15日からMate60、MateX5、タブレットのMatePadProなどの機器に搭載される予定だ。このOSは以前のバージョンと違い、アンドロイド基盤のアプリケーションに対応しておらず、「中国のOS主権を変えるゲームチェンジャー」(デジタイムズ)という期待を集めている。

問題はOSアプリの可用性だ。現在このOS向けに1万個以上のアプリが開発され、ファーウェイはこれを100万個まで増やすという目標を持っている。だがグーグルとアップルのOSに二分化された市場でシェア拡大は容易でないとの見通しが出ている。すでに多くのユーザーがアンドロイドやiOSのインターフェースに慣れており、中国以外の市場で影響力を出すのは容易でないだろうという話だ。

一方、アップルはiPhone販売台数拡大に向け中国内の供給網と研究開発に対する投資を継続している。同紙によると、アップルは10日に中国・深圳に米国に次いで2番目に大きい大規模研究所運営を始めた。2万平方メートル規模のこの施設は広東省9都市と香港マカオなどを合わせたアップルの研究開発ハブの役割をし、iPhoneとiPad、Vision Proなど主力製品に対する品質テストと研究を進める予定だ。

アップルはすでに北京、上海、蘇州、深圳に研究開発センターを設けており、中国内の研究開発チーム規模はこの5年間で2倍に増加した。業界では「アップルが中国で苦戦しているが、潜在力を持つ市場を簡単にあきらめる考えはないという明確な意志。ファーウェイは米国の制裁で独自のチップを使わなければならない技術的限界があるが、アップルは割引など積極的価格戦略と製品革新、マクロ経済改善などに力づけられ有利な状況」と解説した。