Android・iPhone間で高画質画像を送ったり文章入力中マークを表示したりできる「RCS」がついにiOS 18で実装、今後はエンドツーエンド暗号化の導入に注力
2024年9月16日に正式リリースとなった「iOS 18」で、異なるOS間で多機能なメッセージのやりとりを可能にする規格「リッチコミュニケーションサービス(RCS)」が導入されました。これによりiPhoneの純正メッセージアプリを使ってAndroidスマートフォンに長文や高解像度の写真などを送信することが可能になりましたが、異なるOS間のエンドツーエンド暗号化は未実装のため、標準化団体は今後エンドツーエンド暗号化に注力することを明らかにしました。
https://www.gsma.com/newsroom/article/rcs-nowin-ios-a-new-chapter-for-mobile-messaging/
RCS texts on the iPhone aren’t encrypted now, but that could change - The Verge
https://www.theverge.com/2024/9/17/24247414/rcs-texts-iphone-e2ee-android-gsma
RCSはショートメッセージサービス(SMS)やマルチメディアメッセージングサービス(MMS)に代わる規格で、異なるOSの間で柔軟なメッセージのやりとりを可能にするよう設計されたものです。SMSやMMSより長い文章やサイズの大きいファイルを送信できるほか、既読確認や入力中のインジケーターも表示できるのが特徴。Googleは2016年からRCSに対応していましたが、Appleは対応が遅れたため、iPhoneとAndroid間のメッセージのやりとりで不都合が生じることがしばしば問題視されていました。
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by iphonedigital
AppleがiOS 18をRCSに対応させたため、モバイル通信業界団体のGSMAは歓迎する声明を出し、「メッセージングの進化における重要なマイルストーンをお祝いします。モバイル通信事業者、デバイスメーカー、テクノロジープロバイダーの長年のコラボレーションの集大成です」と述べました。
一方で、RCSには異なるOS間のエンドツーエンド暗号化が実装し切れていないという課題があります。例えば、GoogleはAndroid同士のRCSにおいてエンドツーエンド暗号化を施していますが、AndroidとiPhone間のRCSのエンドツーエンド暗号化は実現されていません。GSMAはこの課題解決を次の目標に掲げています。
GSMAと共にRCSを推し進めるGoogleは、「当社はユーザーに安全でプライベートなメッセージングエクスペリエンスを提供することに尽力しており、プラットフォームに関係なくすべてのRCSユーザーに対してエンドツーエンド暗号化を基本とするべく、今後も注力していきます」と述べました。
なお、2024年9月17日にはオンラインコミュニケーションサービスのDiscordもエンドツーエンド暗号化に対応することを明らかにしています。Discordによると、DM、グループDM、音声通話、Go Liveの音声とビデオをエンドツーエンド暗号化するとのことです。