「涙の女王」クァク・ドンヨン、佐藤健の演技を参考にしたことも?“日本のドラマが好きでよく見ていた”
日本でも爆発的な人気を集めたドラマ「涙の女王」でホン・スチョル役を演じたクァク・ドンヨンが、7月28日(日)に東京・かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホールにて、6年ぶりの来日ファンミーティング「Kwak Dong Yeon Japan Fanmeeting 2024 <HEARTS>」を開催。Kstyleではイベント前日にインタビューを行い、日本に関することや「涙の女王」に関するエピソード、プライベートに関することなど、たっぷりと話を聞いた。
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初の日本ファンミーティングは緊張で…「皆さんの反応だけは覚えています」
――明日ファンミーティングを控えていますが、どのような気持ちですか? 準備期間中のエピソードも気になります。クァク・ドンヨン:久しぶりにファンの皆さんとお会いするので、少し緊張もしていますし、どんなに楽しい時間になるだろうかと期待もしています。ファンの皆さんには、これまでお見せできていなかった姿をお見せするために歌の練習を一生懸命にしてきました。どんなコーナーをやって、どんな会話をしようか、事務所のスタッフと話し合いながら準備をしてきました。
――歌はどのような曲を準備されましたか?
クァク・ドンヨン:「涙の女王」のOSTでもあるホン・イサクさんの「Fallin'」と、ジョン・パクさんの「Thought Of You」、それから日本の曲も準備しました。back numberさんの「水平線」という曲です。
――選曲の理由をお聞かせください。
クァク・ドンヨン:日本ファンミーティングなので、日本の皆さんがよく知っている曲や、楽しんで聞いてもらえるような曲を日本のスタッフの方々におすすめしてもらって、その中から選びました。
――2018年には大阪で初の日本ファンミーティングを開催されましたが、当時の思い出をお聞かせください。
クァク・ドンヨン:本当に緊張していたからか、鮮明な記憶がなくて……(笑)。だけど、僕のちょっとした冗談ひとつに対してもファンの皆さんがとても喜んでくださって、そのことはしっかりと覚えています。
――大阪の印象はいかがでしたか?
クァク・ドンヨン:初めて行ったのですが、風景も食べ物も、なにもかもが新鮮で不思議な感じがしました。大阪では、串カツやラーメンを食べました。
――日本の印象はいかがですか?
クァク・ドンヨン:日本というと真っ先に思い浮かぶのは、おいしい食べ物ですね。韓国でも日本の料理を食べることはできるのですが、実際に現地で食べると「やっぱり特別な味だな」と思います。
――特に好きなのはとんかつですか?
クァク・ドンヨン:そうです(笑)。
日本のドラマが大好き!「木村拓哉さんのファンです」
――そのほかにも、日本で気になるものはありますか?クァク・ドンヨン:子どもの頃に日本のドラマ「プライド」が好きでよく見ていました。日本には素晴らしい俳優さんや、素晴らしい演出家の方がたくさんいらっしゃるのだなと思っていたので、いつか作品でご一緒できたら嬉しいです。
――共演してみたい俳優さんはいらっしゃいますか?
クァク・ドンヨン:木村拓哉さんです! ファンなので。それから、以前ドラマの役作りのために「るろうに剣心」を見たのですが、佐藤健さんの演技がとても参考になったんです。もし共演できたらとても嬉しいです。
――今後行ってみたいところはありますか?
クァク・ドンヨン:ディズニーランドも気になりますし、京都にも行ってみたいです。「京都には一度行かないと」と思ってはいるのですが……時間ができた時はいつも観光シーズンで人が多いので、まだ行けないでいます。
――昨年10月には日本公式ファンクラブとX(旧Twitter)もオープンしました。日本のファンの印象はいかがですか?
クァク・ドンヨン:今回、このようにファンミーティングを開催できるくらい多くの関心を寄せていただいて、応援していただいていることに感謝するばかりです。日本に滞在中は、街中や飲食店でファンの方とお会いすることがあります。そういった時もいつも温かく歓迎してくださるので、日本のファンの方々には常に温かいイメージを持っています。
――ファンの皆さんはクァク・ドンヨンさんのどのようなところが好きだと言ってくれますか?
クァク・ドンヨン:どういった部分がお好きでしょうか……ファンミーティングで直接聞いてみたいですね(笑)。
「涙の女王」で好演!「僕のせいで台無しにならないように…」
――「涙の女王」のホン・スチョル役が大好評でしたが、出演が決まった経緯と当時のお気持ちをお聞かせください。クァク・ドンヨン:「涙の女王」のキム・ヒウォン監督は「ヴィンチェンツォ」でも監督をされていたので、その縁から「また僕と一緒に作品をやりたい」という連絡をいただきました。とても光栄で、幸せな気持ちだったことを覚えています。ただ、お話を頂いた直後は「僕がこの役を上手く演じられるだろうか」という悩みもあり……少し考える時間を頂きました。結果的に「素晴らしい脚本家の先生と監督、素晴らしい俳優の方々と作品でご一緒できる機会を逃してはならない。チャンスが訪れた時は掴みに行かなければ!」という気持ちで出演を決めました。
――ホン・スチョル役に対する視聴者の反応はいかがでしたか?
クァク・ドンヨン:子どもがいる父親、というキャラクターそのものが僕にとって大きな挑戦でした。いざ放送が始まってからは、「父親役がぎこちない」とか「(クァク・ドンヨンのせいで)ドラマに没頭できない」などの声を頂くようなことが全くなくて、本当に嬉しかったです。
――放送終了後のインタビューでは「スチョルを演じながら悩み、現場でたくさんサポートしてもらいながら作品を完成させていった時間がいつまでも記憶に残りそう」とおっしゃっていました。具体的にどのような部分で悩みましたか?
クァク・ドンヨン:父親の役を演じる、という点でまず悩みました。子育ての経験者が自然にやっていること……例えば子供を抱っこする時の動作や、泣いてしまった時の接し方ですとか、僕には未経験のことばかりだったので、いかにも演技をしているように見えたらどうしようと心配していました。現場では、お子さんがいらっしゃるスタッフの方々に「こういう時はどのような気持ちになりますか?」とアドバイスを求めるなど、たくさん手助けしてもらいながら演技に臨みました。
――劇中、妻ダヘの裏切りによって変化してゆくスチョルの姿も大きな見どころでした。どのような気持ちで演じましたか?
クァク・ドンヨン:ダヘがいなくなったことを知ったスチョルが、自分にとって妻と息子がどれほど大きな存在だったのか。そんな気持ちを視聴者の皆さんにわかっていただけるように、スチョルの抱いた不安や喪失感、悲しみをなるべく細かいディテールまで表現しようと努力しました。
「良き父、夫が1番の目標。まずお酒を飲みすぎないこと(笑)」
――スチョルは妻ダヘと息子ゴヌを溺愛する役でしたが、ご自身はどんな夫、パパになると思いますか?クァク・ドンヨン:実は、僕にとって1番大きな人生の目標は良き夫、良き父になることなのです。ただ、まだよくわからないのが現状ですね……良き夫になるためには、どうすればいいのでしょうか(笑)。結婚した友人たちの姿を見ながら、少しずつ学ばせてもらっているところです。もう少し長く生きてみたら、わかるようになるのでしょうか?
――ご自身なりの“良き夫”のビジョンはありますか?
クァク・ドンヨン:まず、お酒を飲みすぎないこと(笑)。そして、家族と一緒にたくさんの時間を過ごすことですかね。子供にとっては、友達みたいなお父さんになることが大事かなと思っています。
――スチョルを演じながら「父親ってこんな気分なのだろうか?」と思ったことはありますか?
クァク・ドンヨン:ありましたね〜! 子供が泣くと「どうして泣いているんだろう」と思っても、わかりようがないから……。「この子はいま不安な気持ちなのかな?」とか「どうしてほしいと思っているだろう。わかれば何でもやってあげるのに」って、もどかしかったです。意思の疎通が取れないということがとても大変だったので、世の中の親御さんはこんな気持ちなんだろうなと思いました。
――2012年のデビューから約12年が経ちますが、これまでの年月を振り返ってみて思うことはありますか?
クァク・ドンヨン:もう10年以上も経っているということが信じられないくらい、前だけを向いて一生懸命にやってきた気がします。そのおかげで様々な経験を積むことができて、達成したこともたくさんあります。ただ、その一方で取りこぼしてしまったこともあります。個人的なことで言うと、家族や友人たちと過ごす時間など……与えられた仕事に全力を尽くすことはもちろんですが、今後は一箇所に縛られることなく自分の人生も大切にすることも大事になってくると思います。それがこの仕事を長く楽しくやっていく秘訣でもあるのかなと、最近は思うので。
――これまで多くの作品に出演されましたが、その中でも特に印象に残っている作品をいくつか挙げるならば?
クァク・ドンヨン:たくさんありますが、順序を追って挙げるとしたら、まずは「雲が描いた月明り」です。学生や幼い少年ではなく、青年として演技をしたのが初めてだったので。世間の人々から、少年ではなく大人の俳優として見ていただけるきっかけになった作品でした。「サイコだけど大丈夫」は本当に一生懸命準備をした作品で、たくさんの方が良い反応を寄せてくださったことが記憶に残っています。「ヴィンチェンツォ」は個人的に演技面でたくさんの挑戦をして、それが実を結んだ作品です。「涙の女王」では今までの僕のイメージを覆す新鮮な姿をお見せできたようで、この作品を通じて俳優として認められた気がしました。
――努力家として知られていますが、俳優としてのモットーを聞かせてください。
クァク・ドンヨン:ひとつのイメージや姿で記憶されるよりも「クァク・ドンヨンはこんな役もできて、あんな役もできる」という印象を定着させたいです。どのような役もこなせる俳優になれるように、着実に経験を積もうということをモットーに掲げています。
丹精込めて育てた“盆栽”が危うい状況に?気になるプライベート
――では、ここからはプライベートに関する質問をさせてください。盆栽を育てているそうですが、盆栽の魅力を教えてください。クァク・ドンヨン:盆栽は毎日水やりをして、風に当ててあげなければならないんです。たまに日光に当ててあげることも必須なのですが、その時に日差しが強すぎても駄目で……本当に愛情を込めて育てなければならないんです。僕は1人暮らしなので動物と一緒に暮らすことができないのですが、そんな中である日ふと「愛情を注ぎ続けるものが傍らにあれば、自分にとって励みになりそうだな」と思って、盆栽を育て始めました。それで一生懸命育てていたのですが、実は今ちょっと危ない状態なんです。撮影で忙しくて面倒を見る時間がとれなくなってしまって、盆栽の未来が保証されていない状況です(笑)。
――盆栽の他にハマっていることはありますか?
クァク・ドンヨン:ボクシングです。ストレスが溜まったり、頭の中がごちゃごちゃした時にやるとスッキリします。最近は俳優にアクションの演技が求められたり、実際に俳優さんが劇中でボクシングをするシーンもよく見かけるので「一度やってみるか」という感じで始めたら、結果的にとてもいい趣味になりました。
――ボクシングのシーン、作品でぜひお目にかかりたいですね。
クァク・ドンヨン:はい、いつか必ず!
――蜘蛛とマヨネーズが苦手だそうですが、他に苦手なものはありますか?
クァク・ドンヨン:マヨネーズは本当に苦手で、他にはキュウリとキノコが苦手です……僕はちょっと小学生みたいな味覚でして(笑)、ピザとか、とんかつとか、子供が好むような食べ物が好きです。蜘蛛は、僕の家が山の近くなのでたまに部屋に入ってくるんですよね。それも物凄く大きなやつが! 動きも早いし、見た目が本当に苦手です。ただ、蜘蛛のおかげか部屋に蚊が出ることはないですね。
――他の虫は平気なのでしょうか?
クァク・ドンヨン:いえ、苦手です(笑)。
――部屋に入ってくるから特に嫌い、ということですね。
クァク・ドンヨン:そうです、そうです!
「俳優は僕の天職。仕事に繋がることはどんどん挑戦したい」
――16歳から1人暮らしをされていますが、料理の腕前は?クァク・ドンヨン:料理にハマる時期があるみたいです。最近だと1年ほど前に料理をちゃんとやろうと決心して、YouTubeでレシピを見ながら1〜2ヶ月ほど色々と作ってみたのですが、材料を余らせてしまったり作るのが面倒になってしまったりでやらなくなってしまいました。料理上手ではないですね。
――どんなものを作りましたか?
クァク・ドンヨン:パスタやチゲ、豚肉の炒め物などです。
――ご自宅の部屋はどんな雰囲気ですか?
クァク・ドンヨン:木製の家具が多くて、床も木です。温かさを感じられるので、木が好きです。
――すでに色々なことに挑戦されていますが、今後やってみたいことや目標はありますか?
クァク・ドンヨン:やりたいことはたくさんありますが、仕事に関しては俳優以外の職業に就きたいと思ったことはありません。今の仕事は僕にとても合っていて楽しいので……これからもやるべきことがたくさんあると思っていますし、今の仕事に集中していたいです。プライベートだと、コーヒーが好きなのでコーヒーについて学びたいです。分野を問わず、色々なことを勉強したいと思っています。俳優を続けていくうえでも、将来役に立ちそうです。
――やはり相当な努力家なのですね。では最後にメッセージをお願いします。
クァク・ドンヨン:Kstyleをご覧の皆さん! Kstyleのことは僕も以前からよく知っていましたし、たくさんの方々が関心を持って見てくださっていると伺っています。このように、Kstyleを通じて日本の皆さんに僕の話を聞いていただけて光栄です。僕の今後の出演作や様々な活動にも、多くの期待を寄せていだだけたら嬉しいです。ありがとうございました!
(取材:安部裕子/撮影:朝岡英輔)
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