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LimeやForestといった電動自転車のシェアサービスが流行するロンドンで、駐輪場に関する不満が高まっていることが明らかになりました。

London e-bike boom leads to clashes with councils

https://www.ft.com/content/730d4dab-e80a-4e14-a343-abafd868c5f0

ロンドン交通局の許諾を得て導入が進められたシェアサイクルサービスは年々利用者数が増加していて、慈善団体CoMoUKによると2024年3月時点でロンドンの路上にはレンタル電動自転車が3万7694台あるとのこと。

特にLimeの伸びが顕著で、2024年時点でピーク時の利用回数は前年比91%増にまで成長しているそうです。2024年夏には各社の利用可能地域が拡大するなどさらなる成長が見込まれていますが、利用者が増加するにつれて電動自転車の密度が高まり、市民、ロンドン交通局、地方議員の不満を招いていると伝えられています。

ウェストミンスター地区議会議員のポール・ディモルデンバーグ氏によると、議会は区域内で最大2000台の電動自転車の利用を認めることでLimeと合意しているものの、実際は1日に3000台の電動自転車が乗り入れている状態にあるそうです。利用者の不正駐輪や放置も横行しており、ディモルデンバーグ氏いわくこうした自転車は「驚くほど馬鹿げた場所」に駐輪されているとのことです。



by Elliott Brown

他の地域でも不満は高まっており、ブレント市議会はLimeに対して「同社が引き起こした『大混乱』に対処しない限り、自転車の撤去を開始する」と警告済み。カムデン評議会を含む他の自治体はハッキングされた電動自転車が料金を支払われずに使用されていることを問題視しているそうです。ロンドンの議員であるレイチェル・ブレイク氏は、自転車とスクーターのレンタルを監督する新しい権限を地方自治体に与えるよう政府に求めています。

利用者の目線ではこうした電動自転車は歓迎されているようで、調査によると18歳から34歳のロンドン市民の半数弱が、少なくとも週に1回はe-bikeを借りているとのこと。コンサルタント企業によるとロンドンは電動自転車事業者にとって有望な都市と見なされていて、Limeのウェイン・ティングCEOは「ロンドンは他の都市におけるビジネス戦略のひな形になった」などと考えているといいます。ティングCEOは「ロンドン市民に聞けば、Limeを重要な交通インフラだと考えていることが分かる」とも答えています。



by Philip Mallis

不正駐輪の取り締まりを強化するためロンドン交通局は追加の制度構築を検討しているとのこと。また、自治体との調和を図るためロンドン全体で電動自転車を規制することも検討していると示唆しているそうです。一方、LimeとForestは、電動自転車のルールが強化されることで市内でのアクティブな移動が減少することを懸念していると伝えられています。