開会式リハーサルで選手宣誓の練習をする智弁和歌山の辻旭陽主将(写真・時事通信)

 8月7日から甲子園球場でおこなわれる第106回全国高等学校野球選手権大会。全国47都道府県から49校の代表校が甲子園の切符を掴み取り、今年も熱戦が繰り広げられる。

 そんななか、毎年同大会前にスポーツ新聞社が発表する甲子園出場校の評価表に批判の声が集まっている。

「日刊スポーツ、スポニチ、サンスポ、中日スポーツ、スポーツ報知の5社が、地方大会の戦績や春におこなわれる選抜高校野球など全国大会での成績を参考に、毎年、開催前に各出場校の戦力をA、B、Cの3つでランク付けした評価表を発表しています。

 今年の評価表を見ると、A評価には春の王者・健大高崎高校(群馬県)や大阪桐蔭高校(大阪府)などの強豪校が並ぶなか、初出場となる5校は最も低いC評価となっています」(スポーツ紙記者)

 この評価表が注目されるなか、Xではこんな声が。

《戦力評価(ランク付け)は必要なの?熱戦を勝ち上がり甲子園への切符を勝ち取ったチームに対してBだのCだの評価するのは失礼。もっと敬意を払っても良いのでは》

《そもそも地方大会と甲子園では全く別であり、こういう評価は1%すらあてにならない…実にアホくさいわー》

《始まる前から甲子園出場校の評価するのキモすぎるだろ名前だけで決めんなよ》

《スポーツ新聞が高校野球の出場校をABCで評価してるの、いい加減に古いから止めたらどうかと思う せっかく甲子園出場したのに、初出場という理由でC付けられたら悲しいし、学校としては何度も甲子園行ってるからS付けられても、選手は初めてなんだからプレッシャーになる》

 賛否が分かれる各校の評価表について、本誌は、元甲子園球児で、チャンネル登録者数81万人の人気野球YouTubeチャンネル「トクサンTV」を運営する徳田正憲氏に話を聞いた。

「どちらの意見もわかりますね。高校野球はあくまで部活動の一部なので、『ランク付けするのはおかしい』といった声は、至極真っ当だとは思います。

 ただ、視聴者は地元以外の高校の情報はあまり知らないと思うので、各スポーツ紙が集めた情報をもとに、より甲子園を楽しみやすくなる側面もあると思います。

 高校野球は、選手たちが一生懸命頑張るなかで勝ち負けを決めるという一つの感動の物語であり、“夏の甲子園” というものをエンタメ化してきた国民性や歴史があるんです。そのなかで両方の意見が出るのは当たり前かなと思います。

 いち選手の立場からすれば、評価が低い場合は “悔しい” と思うだけで、それでへこむような選手はいないと思いますよ(笑)。

 過去には、予想されていなかった高校が優勝した例もあるので、選手とすればこれを発奮材料として、自分たちがやってきたことを結果として示すことができれば、素晴らしいことだと思います」

 球児たちには、評価を気にせず、熱い試合を見せてほしい!