iPhoneの賢い買い方、売り方。次期モデルは円安で超絶値上げ確実!
iPhone 14 11万2800円から。2022年発売。現在、国内で売り上げナンバーワンを誇る
■今年は突然の大幅値上げもあり!?【異次元円安、大変であります!】
円安の影響を直撃しがちなのが、パソコンやウエアラブルなどのガジェット製品だ。これらのほとんどが海外メーカー製で、設計・開発からパーツの調達、そして組み立ても海外の工場で行なわれるのが基本。なので、為替レートがダイレクトに反映される事態となっている。
中でも注目されるのが今年も登場が予定される新型iPhoneのお値段。今後、さらに円安が進むと既存モデルのiPhoneなども値上げされる可能性があるという。そんな、Apple製品の価格推移、買い時や売り時をITジャーナリストの法林岳之(ほうりん・たかゆき)さんに解説してもらいます!
*価格はすべてApple直販での発売時のストレージ容量の最も低いモデルの価格です
* * *
――Appleが価格改定を行なうタイミングには、どんな傾向があるのでしょうか?
法林 基本的には新商品や新OSの発表イベントと同時に行なわれます。今年ですと5月7日に新型「iPad Pro」シリーズの発表があり、そこで2021年に発売された「iPad mini」の価格改定がありました。これまで最安モデルは7万8800円でしたが、8万4800円に値上げされたのです。
そして、Appleには例外的な価格改定もあります。
――それは、どんなタイミングなのでしょうか?
法林 それが、まったくわかりません(笑)。Appleは突然、価格改定を行ないます。近年だと2022年の7月1日に突然価格改定があり、21年に発売されたiPhone 13の最安モデルが9万8800円から19%アップとなる11万7800円になりました。
Appleは価格改定の理由を公表していませんが、iPhone 13が発表された2021年9月に円ドルの為替レートで110円台だったのに対し、22年の5月には130円台まで上昇していました。22年の価格改定は日本のみだったので、やはり円安の影響が大きいといえるでしょう。なので、今年も為替的に要注意です。
人気のiPhone 14はiPhone 16が登場しても、旧モデルとして併売されることが予想されるが、値上げの可能性も! さらに、為替レートによってはiPhone 16の発表前の緊急値上げなんてことも!
――ところで、Appleの発表会イベントといえば、毎年恒例の9月に新型iPhoneの発表がありますが、それ以外にも?
法林 今年は6月10日から開発者イベントがあり、新iOSが発表されます。なので、Appleの購入は"とにかくお早めに!"という状況になっていますね。それこそ、5月に発表されたiPad Pro(11インチモデル 16万8800円)はアメリカでの販売価格が999ドルです。これは1ドル169円前後の為替レートになり、新商品だけでなく既存モデルも、このレートで価格改定を行なう可能性もあります。
iPhoneは2020年発売のiPhone 12(日本価格8万5800円)からアメリカでの最安モデルの販売価格は799ドルで固定されています。しかし、日本では為替の影響もあって年々価格が上昇し続けてiPhone 15が12万4800円。iPhone 16では、さらに1万円前後値上がりする可能性もあるのです。
――そんな値上がり確定のiPhoneをオトクに購入するには?
法林 キャリアの「端末購入プログラム」を使った旧モデルの購入です。ここ2、3年のiPhoneは3Dゲームの動作で効果を発揮するような処理速度の向上がメインで、旧モデルを使っても一般的なネット閲覧や動画視聴でストレスを感じることはまずありません。どのキャリアも大手家電量販店のキャンペーンで旧モデルとなるiPhone 14の"実質24円(24ヵ月前後で返却)"といった販売が行なわれており、それを活用するのがオトクです。
そして、ソフトバンクには「新トクするサポート(プレミアム)」という端末購入プログラムが用意され、こちらは最新のiPhone 15 Proも実質24円(13ヵ月で返却)で購入することが可能です。ただし、どの端末購入プログラムも、指定された期間内で端末を返却する必要があり、それを超過すると月々の端末料金の支払い額がグンッと上がるので要注意です!
2022年7月1日、為替の影響から日本のみでApple製品の値上げを実施。そして、今年5月は人気モデルである「iPad mini」シリーズが緊急値上げ。iPad miniは、これまで最安7万8800円だったのが、8万4800円に値上げされている
――では、Appleの直販からオトクに端末を購入する方法はありますか?
法林 Appleには2種類の金利0%の分割払いが用意されています。ひとつは「オリコのショッピングローン」でiPhoneを購入する場合なら最大24分割。そして「ペイディあと払いプランApple専用」では最大36分割、24回目の支払い時に新しい端末に買い替えることもできます。
つまり、Appleからはキャリアの購入プログラムに近い購入方法も提供されているのです。キャリアと違い"各種条件"がないのもポイントです。
――それ、オトクな購入方法じゃないですか!
法林 ただ、Apple製品の下取り金額は、キャリアやAppleよりも、イオシスなどの大手中古ショップのほうが高いのです。例えば、iPhone 13ならApple下取り金額は最大5万円ですが、イオシスなら最大で6万7000円です。それなら、Appleから分割で購入して、大手中古ショップに下取りに出すほうがオトクになりますよね。
iPhoneの下取りはAppleより、大手の中古ショップが有利です! 例えば、iPhone 13ならAppleの下取り金額だと最大で5万円。一方、大手中古ショップのイオシスなら最大で6万7000円に! iPhoneを下取りする場合はキャリアやAppleだけでなく、大手中古ショップの見積もりも忘れずに!!
――iPhoneの下取り価格が上昇するタイミングはあるのでしょうか?
法林 新モデルの発表直後が最も高くなります。大手中古ショップはこの時期に「下取り金額○○%アップ!」というキャンペーンを行ないますので、ここで売るのが最もオトクです。なので、9月から10月がiPhoneの売り時ですね。
――異次元の円安によって価格の大変動が予想されるiPhoneだからこそ、売り時の見極めも超重要です!
取材・文/直井裕太 写真/Apple