●久住小春、佐藤大樹から「刺激をいただいている」

TBSの深夜ドラマ枠「ドラマストリーム」で1月23日にスタートする『瓜を破る〜一線を越えた、その先には』(毎週火曜24:58〜、初回は25:13〜 ※一部地域を除く)でW主演を務める元モーニング娘。の久住小春とEXILE/FANTASTICSの佐藤大樹にインタビュー。本作への出演や共演の感想など話を聞いた。

久住小春(左)と佐藤大樹 撮影:蔦野裕

本作は、累計発行部数400万部突破の板倉梓氏によるコミック『瓜を破る』を原作に、登場人物たちが30代処女、事実婚、ルッキズム、ノンセクシャルなど、さまざまな悩みに迷いもがきながらも自分なりの答えを模索していく姿を描く群像ラブストーリー。30歳を超えても性体験がないことに悩んでいる会社員・香坂まい子を久住、人と関わることが苦手なOA機器管理会社の契約社員・鍵谷千里を佐藤が演じる。

――久住さんは民放連続ドラマ初主演、佐藤さんは2回目のドラマストリーム出演でTBSドラマでは初主演となりますが、本作への出演が決まったときの心境をお聞かせください。

久住:こんなにセリフの多い役は初めてだったので、芸歴は長いですが初心に戻った気持ちで、すごくプレッシャーを感じましたが、このチャンスを一生懸命、全力で駆け抜けたいと思い、気合いたっぷりで頑張りました。

佐藤:原作を読んでストーリーが面白かったので絶対に演じてみたいと思いました。最近は大人な役が多かったですが、鍵谷くんはウブで人見知りな役なので、そういうギャップもビジュアルから見せられたらいいなと思いました。

――出演が発表されてから、反響はいかがでしたか?

佐藤:すごくうれしかったのが、自分のマネージャーさんが原作の大ファンで、(事務所の)社員の方も読んでいる方が多くて、近い人からの反響が大きかったです。ファンの方々も「今までにない役どころで楽しみ」と喜んでくれている印象がありました。

久住:ファンの方が「出るの!?」「絶対見るね」とすごく喜んでくださって、放送されると思うとドキドキするなと思いました。



(C)『瓜を破る〜一線を越えた、その先には』製作委員会

――演じるキャラクターの魅力をどのように感じていますか?

久住:まい子はすごくまっすぐでお仕事も頑張っていて、自分のコンプレックスを乗り越えようともがいていて一生懸命なところが魅力的だなと思います。

佐藤:鍵谷くんは、とあるトラウマが理由で自分に自信をなくしてしまい、それから人とコミュニケーションをとることが苦手になってしまった青年なんですけど、とてもウブでかわいらしくて、この子の成長を見届けたいなと思ってもらえる魅力的なキャラクターだなと思います。

――演じる際に意識していることを教えてください。

久住:まい子は見た目もキラキラしていて、OLさんという感じですが、中身は自分に自信がないので、あまり人と目を合わせないようにというのを意識して演じています。

佐藤:鍵谷くんは普段の僕と真逆な性格なので、演じがいがあるなと思いました。なるべく鍵谷くんでいたほうがそう見えるのではないかなと思ったので、現場ではあまりしゃべらないようにしています。久住さんに誤解されたくないので、クランクインのときに「普段はもっと盛り上げるタイプなんですけど、この現場だけはすみません」と了承を得ました(笑)

久住:佐藤さんにお会いするのは初めてだったので、最初はそういう人(鍵谷のような人見知り)なのかなと思ったのですが、「いつもは明るいんです」という話だったので、「そうなんですね」と(笑)

――原作のファンも多いということで意識したことがありましたら教えてください。

久住:原作を読ませていただきましたが、私にしかできないまい子が演じられたらいいなと思い、もちろんまい子になりきるのですが、表情をこうしようとかはあまり意識せず、気持ちでまい子になりきろうと思っています。

佐藤:ビジュアルは、カツラではなく絶対に地毛で表現したいと思ったので、黒に染めて原作に近づけました。



――お二人は今回初共演ですが、共演の感想をお聞かせください。

久住:すごく役にまっすぐで真面目な方で、見習わないといけないなと刺激をいただいています。たくさんのドラマや映画に出演されている方で、私は初めてのシーンもたくさんあり、引っ張っていただいています。

佐藤:とにかく明るくて、現場にいらっしゃるだけでみんながやる気に満ちあふれるエネルギーを与えることができる方だなと思いました。あと、すごく根性があり、表の世界で長きにわたって活動する上では必要なんだと思いました。まい子さんとしてのお芝居に関しては、実は人には言えない悩みを抱えているがゆえの、ふとした瞬間の目の動きを細かく意識しながら演じているんだろうなと感じました。

――お互いに原作とぴったりだなと感じていますか?

佐藤:そうですね。

久住:現場ではずっと鍵谷くんに見えます。

●久住小春はラブシーン初挑戦「体当たりで頑張った」



――久住さんはラブシーンは初挑戦とのことですが、撮影はいかがでしたか?

久住:いろんな作品でラブシーンを見てきましたが、いざ自分が演じるとなるとどうしたらいいのかすごく戸惑っていましたが、今回インティマシー・コーディネーターの方が間に入ってくださって、その方からたくさんアドバイスをいただきながら、とにかく体当たりで頑張りました。

――佐藤さんは本作でのラブシーンはいかがでしたか?

佐藤:今までは、そういう行為に慣れている役を演じることが多かったのですが、今回は初めてを表現するということだったので、演じる上では難しかったなと。初めてな感じを表現するのが大変でしたが、初々しくもきれいなラブシーンになっていると思います。

――ラブシーンも原作に忠実に?

佐藤:そうですね。原作にかなり近い感じで、納得の仕上がりというか、本当にきれいなシーンになっていると思います。

――ほかの共演者の方の印象もお聞かせください。

久住:酒井若菜さんが上司役で出演されるのですが、女優の大先輩なので、どうやって役作りをしているのかとか、セリフはどうやって覚えているのかとか、いろんなことを質問し、すごく気さくに教えてくださって仲良くさせていただいています。

佐藤:僕は久住さん以外の方とのシーンがほぼなくて、回想シーンで少しご一緒するぐらいだったので、ちょっと寂しいです。これだけ同じ人とのシーンしかないのは初めてかもしれません。

――第1話で印象に残っているシーンを教えてください。

久住:まい子の元カレとの学生時代のシーンがあるのですが、学生服を着て回想シーンを演じたのが印象に残っています

佐藤:原作のまい子と鍵谷のシーンがそのまま反映されているところがあるのですが、そのシーンができることがうれしくて、2人の距離感を監督と話しながら丁寧に撮影しました。



――原作のファンがとても多いですが、どういうところが多くの人に刺さっていると思いますか?

久住:明るく見せていてもコンプレックスがあったり、皆さん抱えている悩みがあると思うので、登場人物たちが悩みを抱えていてそれを乗り越えていくという部分に共感し、たくさんの方が読んでいるのかなと感じました。

佐藤:まい子さんに共感する人が一番多いんだろうなと思いますし、いろんな悩みを抱えている登場人物に、「私もこういう経験がある」という共感を持つ人もいるのかなと。あと、2人の成長や2人の距離がどこまで縮まるのか見届けたいという読者もたくさんいるのではないかなと思います。

――まい子さんはOL、鍵谷くんはOA機器管理会社の契約社員という役ですが、その職業を演じるためにリサーチしたことはありますか?

久住:周りに会社勤めの友達もいるので、そのイメージも持ちつつ、オフィスに自分の席があるという環境で演じていると自然とそういう気分になれています。

佐藤:現場で本当にコピー機の修理をしている方に習える時間があったので、その時間に気をつけなきゃいけない手順とかいろいろ話を聞きましたが、原作と照らし合わせて、鍵谷くんは膝を片方つくのか両方つくのか、職業というより鍵谷くんに寄せて演じています。

――コピーは普段あまり使わないですか?

佐藤:コピー好きです!(笑) 今でもコンビニのネットプリントで台本を印刷することもあります。

■久住小春

1992年7月15日生まれ、新潟県出身。2005年〜2009年にモーニング娘。として活動。アニメ『きらりん☆レボリューション』(06〜09)で主人公の声優を務めたほか、2011年〜2015年にはファッション誌『CanCam』のモデルとして活躍。女優としてもさまざまな作品に出演し、近作はドラマ『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』(23)、映画『GONZA』(23)など。

■佐藤大樹

1995年1月25日生まれ、埼玉県出身。2011年より俳優、サポートダンサーとして活動を開始。2014年、「EXILE PERFORMER BATTLE AUDITION」に合格し、EXILEのパフォーマーへ。2016年12月、世界とともにリーダーを務めるFANTASTICSを結成。俳優としての近作は、ドラマ『liar』(22)、『理想ノカレシ』(22)、『Sister』(22)、『around1/4(アラウンドクォーター)』(23)、映画『4月の君、スピカ。』(19)、『小説の神様 君としか描けない物語』(20)など。

【久住小春】ヘアメイク:Lysa 高橋有紀 【佐藤大樹】ヘアメイク:パクヨンソン(Luana) スタイリスト:平松正啓(Y's C)