2024年米大統領選へ向けて、アイオワ州ウォータールーで開催された支持者集会に出席したドナルド・トランプ前大統領(2023年12月19日撮影)。(c)KAMIL KRZACZYNSKI / AFP

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【AFP=時事】不法移民についてナチス・ドイツ(Nazi)総統アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)を想起させる発言をしていると厳しい批判にさらされているドナルド・トランプ(Donald Trump)前米大統領(77)は19日、ヒトラーの著書「わが闘争(Mein Kampf)」を読んだことはないと述べた。

 2024年大統領選の共和党最有力候補であるトランプ氏が先に政敵を「害虫」と表現したのを受け、次期大統領選で再び対決する可能性のあるジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は、ヒトラーの発言と同じだと非難した。

 だが、トランプ氏は19日、アイオワ州での集会でヒトラーとの類似性を否定。「『わが闘争』を読んだことはない」と述べ、ヒトラーとは言葉の使い方が「大きく異なる」と主張した。

 ちゅうちょすることなくさらに反移民感情を扇動する言葉を使い、「彼ら(不法移民)がわが国の血を損なっているのは事実だ。彼らはわが国を破壊している」と述べた。

 トランプ氏は先週末にも同様の発言で批判の嵐を巻き起こした。バイデン政権の報道官は「ファシストや暴力的な白人至上主義者のグロテスクな言葉遣いと同じだ」と非難した。

 また2024年大統領選へ向けたバイデン陣営のX(旧ツイッター)アカウントは20日、トランプ氏とヒトラーの発言を三つずつ並べた画像を投稿。「これは偶然ではない」とのコメントを付けた。

 トランプ氏の発言は、共和党の重鎮たちを非常に苦しい立場に追い込んでいる。共和党のミッチ・マコネル(Mitch McConnell)上院院内総務はトランプ氏の発言を公に非難している。

【翻訳編集】AFPBB News

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