高校時代の安楽選手(写真:岡沢克郎/アフロ)

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プロ野球楽天の元監督で野球解説者の田尾安志氏(69)が2023年11月27日にユーチューブを更新し、複数のチームメイトへのパワーハラスメント(パワハラ)疑惑が報じられている楽天・安楽智大投手(27)の今後に関して「自由契約になる方向みたい」と語った。

「こういう行為をスルーするのはよくない」

スポーツ紙などの報道によると、楽天所属の複数の選手が安楽のパワハラを球団に訴えたことが24日に判明。安楽は球団から自宅待機を命じられ、25日に予定していた契約更改交渉は無期限延期となった。現在、球団のコンプライアンス担当が監督・コーチ、選手、スタッフらを対象に調査を行っているという。

05年に楽天の初代監督として指揮を執った田尾氏は「これはちょっと寂しい話ですよね」とし、自身の経験をもとにパワハラに関する自身の思いを語った。

「我々がアマチュアの頃を振り返ってみると、これに近いものはありました。本当に納得いかないなというようなことを先輩からやられたことも何度もありました。そういうものなのかなと思いながら終わってしまったというのが我々の時代でしたけれども今は良くないこと。これから野球をしよう、野球界で頑張りたいという後輩たちのためにより良い環境を作っていくというのが野球に携わっている人たちの使命ではないのかなと思う。そういうことからすると、こういう行為をスルーするのはよくない」

楽天の監督時代に2軍コーチが選手に正座を強要したことを明かし、そのコーチを呼びだして選手に対する行動を改めるよう指示したという。

「このまま甘い処分をしていると球団としては印象が良くない」

「2軍のコーチが何人かの選手に正座をさせたという話を他の人から聞いた。僕はそのコーチを呼んでそういうことはしないでくれと言いました。彼らはもう大の大人なんだよと。人によっては家庭持ち、子供持ち。そういう選手もいる。独身の選手だから良いわけではない。独身の選手でももう大人。善悪の良し悪しははっきり分かる人間ですからそういう人間に対してコーチという特別上の立場の人からそういうことをさせられるのは僕が選手だったら納得がいかないですね」

契約更改交渉が無期限の延期となったことで安楽の来季に関しては不透明な状況にある。チームに与えた影響は大きく、スポーツ紙の報道によると予定されていた選手会や納会などの球団行事が中止になったという。

田尾氏は「野球人としては安楽の野球人としての道を完全に閉ざしてしまうというのは出来たら避けてもらいたいという気持ちでいますけれども、これはいち野球人としての考えであって、そんなに甘いものではないよというのが一般の人たちの考え方だと思います。ちょっと間違えると犯罪に近いそういうところまでいっている。このことをそんなに軽く見てしまってはいけない」と厳しく語った。

動画の最後に「付け足しになりますけども今情報が入ってきました」と切り出し、「安楽投手は自由契約になる方向みたいですね。このまま甘い処分をしていると球団としては印象が良くないということなのでこの方向で行きそうな気配だそうです」と明かした。