中日・根尾投手(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

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プロ野球中日で今季2軍監督を務め、来季から1軍ヘッドコーチを務める片岡篤史氏(54)が2023年11月26日にユーチューブ動画を更新し、中日・根尾昂投手(23)の実力に触れ「1軍で投げられるところまできた」と太鼓判を押した。

根尾は野手として18年ドラフト1位で中日に入団し、昨季途中から野手と投手を兼任した。投手に専念した今季は主に2軍戦で登板し1軍では2試合に先発。いずれも勝敗は付かなかったが、9月30日の巨人戦では6回5安打1失点の好投を見せた。

「表情が明るくなった」

ウエスタンリーグに属する中日の2軍は今季33勝70敗9分けでリーグ最下位に終わった。根尾は2軍戦で23試合に登板して0勝7敗、防御率3.43だった。

片岡コーチは「(中日の)ファームは今年あまり勝てなかったし根尾もファームで勝ててない」と切り出し、指揮官から見た今季の根尾を次のように評した。

「春先というのは本人も多分ショックだったと思うけれども、思ったような投球ができない。今までできていたことがピッチャーに専念したばかりにできなくなったところがあったと思う。投球フォームがどうこういうよりも、そこを自分で乗り越えていかなきゃいけないところだと思う。ピッチングコーチとも話をしながら、本当に自分に合ったフォームを自分で探したんだと思う」

シーズン中、試行錯誤しながら投球フォーム改造に取り組んでいたという。根尾の練習に取り組む姿勢の中から「不安」が取り除かれ、思うようなところに球を投げることができるようになったと指摘した。

片岡コーチは「ちょっと膝を曲げずに踏み出していくような、自分の苦しい中でああいうフォームを見つけた」とし、「(表情が)明るくなったね。今まで高校までは全部できていた選手だと思う。初めて自分ができないということに直面したと思う。それを乗り越えかけている。もう1軍で投げられるところまで来たと思う」と太鼓判を押した。

成長には同世代のライバルが必要

根尾が成長していく上で同年代のライバルの存在が必要だとした。片岡氏はライバルとして大阪桐蔭高校時代、根尾とチームメイトだったロッテ藤原恭大外野手(23)や同学年の広島・小園海斗内野手(23)、22年の中日ドラフト1位・仲地礼亜投手(22)らの名を挙げた。

片岡コーチは「ドラゴンズに仲地というピッチャーも入ってきました。口には出さないと思いますけど、これはライバルですよ」とし、「ライバルは自分だという人もいますけども、同年代で同じポジションというのは1番敏感に感じていると思うし、感じなきゃいけないと思う。このチームでどのような役割を必要とされているのか。どんな選手を求められているのか。どんなことをしたら試合に出してもらえるのか。その辺を自分で感じなきゃいけない」と主張した。