「ポケトーク同時通訳」を発表するポケトークの松田憲幸代表取締役社長兼CEO(ソースネクスト会長兼CEOも兼務)

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 ソースネクストはAI翻訳機「POKETALK(ポケトーク)」を展開する子会社ポケトークが、今冬に新製品「ポケトーク同時通訳」の提供を開始すると発表した。サービスの価格は正式リリース時に発表する。現在展開中の「ポケトーク字幕」をアップデートする形となり、今後はポケトーク同時通訳に一本化する予定だ。

●字幕と一緒に音声でも発話



 「ポケトーク同時通訳」は、主にグローバル展開する企業を対象にしたビジネス向けサービスで、相手の話す英語を70言語の音声と字幕でリアルタイムに翻訳するPC用のソフトウェア。スマートフォン用のアプリは開発中とのこと。

 英語を短く区切りながらユーザーが選ぶ言語に翻訳し、字幕と一緒に音声でも発話するため、まるで専属の同時通訳者がいるように相手の話が理解できる。ただし、話者が英語のみの翻訳で、例えば日本語で話した場合、相手には翻訳した字幕のみが表示される。

 オンラインだけでなく、対面の会議や動画視聴などの翻訳でも使える。オンライン会議を想定したデモでは、相手が話す英語をほぼリアルタイムで翻訳された日本語の字幕と、少し遅れる形で音声で聞き取ることができた。翻訳されるまでの待ち時間も短く、ストレスを感じなかった。

 会議など双方でコミュニケーションをとる場合はお互いのPCにポケトーク同時通訳をインストールするのが望ましいが、例えば動画やセミナー視聴なら相手がインストールしていなくても使える。

●通訳の対応は場当たり的で、ビジネスの損失につながっている



 ポケトークが9月に実施した「ビジネスシーンにおける言語に関する意識調査」では、「業務で日常的に外国語を使う」と答えたビジネスパーソンの77.3%が、「言語が業務やコミュニケーションなどの阻害要因になっている」と答え、60.0%が「外国語のコミュニケーションが円滑にできずビジネスで損失になっていると感じる」と回答しているという。

 また、外国人に応対する方法として49.2%が「社内の外国語が得意な社員が対応している」と回答し、そのうち63.5%がそのせいで「本来やるべき業務に力を注げていない場合がある」と感じていることがわかった。また、通訳・翻訳者を外部に委託している企業では、企業経営層の84.2%が「通訳や翻訳のコストが高い」、さらに89.5%が「費用だけでなく通訳者の調整が負担となっている」と回答しているという。

 ポケトーク同時通訳をリリースすることで、同社がミッションに掲げる「言葉の壁をなくす」世界の実現を目指す。ちなみに、現行のポケトーク字幕のサービス料金は1ユーザーあたり月額2200円、年間2万6400円のサブスクリプションとなっている。