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 エンゼルス・大谷翔平投手(28)は9日(日本時間10日)、敵地で行われたアスレチックス戦に「2番・投手」で先発出場。投げては6回4安打無失点で10勝目。打っては5試合ぶりの一発となる25号本塁打を放ち、メジャー通算118本塁打で、イチロー氏を抜き日本人歴代で単独2位に浮上した。「2けた勝利&2けた本塁打」はベーブ・ルース以来104年ぶりの偉業となった。

【動画】節目の試合で本塁打を放った大谷


 4度目の挑戦にして、とうとう大記録に到達した。この日は5回まで毎回安打を許す苦しい展開。それでも要所を締め、点を与えなかった。

 ひやりとする出来事もあった。1点リードの3回二死一、三塁の場面ではラウレアーノの強烈なピッチャー返しを左足に受け悶絶。7日(8日)のマリナーズ戦でも左足の甲を踏まれるアクシデントがあったばかりとあって、影響が心配されたが、そこは大谷。ストレッチなどを行いながらそのまま続投し、アスレチックス打線を6回まで無失点に封じ込めた。

 そんな大谷をこの日は打線も援護する。4番・ウォードが5回に3ランを放つと、7回には大谷自らもホームランを放つ。4点リードする7回先頭の打席で大谷は左腕・セルマンのスライダーを引っ張り、右翼席に運んだ。しかし注目を集めたのはその表情だ。ダイヤモンドを1周する際にも笑顔はなく、ベンチに戻った後も同僚の祝福を拒否するしぐさを見せるなど、試合結果と裏腹にこの日も硬い表情が目立った。

 象徴的だったのは7回の交代の場面だ。大谷は続投の意思を見せマウンドに行きかけていたが、ネビン監督代行にさとされるようにベンチに戻った。大谷と同代行をめぐっては以前にも降板時期をめぐって意見が分かれることもあったが、この日も事前に打診もなく降ろされたことで不服そうな表情を隠せなかった。この時点で球数は91球。チームが守護神のイグレシアスを放出後は9回は不安定な起用が続くとあって、大谷自身、できるだけ長い回を投げたいという気持ちもあったかもしれない。

 いずれにせよ、メジャー挑戦5年目にして投打で大記録に到達したのは本人の日々の努力の賜物だろう。くしくも球場はメジャー初勝利、初安打、通算100号を放った思い出のある球場となった。今や世界のオオタニとなった二刀流の次なる活躍にも期待したい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]