すでに多数の貨物や乗客を輸送しているため今後の拡張が難しい既存の道路や鉄道網ではなく、新たに専用の貨物輸送用トンネルを地下に設置する「Cargo Sous Terrain」の第1期プロジェクトが開始されることになりました。

Unterirdisches digitales Logistiksystem - Cargo sous terrain

https://www.cst.ch/



Cargo sous terrain beginnt mit der Umsetzung

https://www.cst.ch/wp-content/uploads/2022/06/220602_MM_CST_D.pdf

Switzerland Moves Ahead With Underground Autonomous Cargo Delivery - IEEE Spectrum

https://spectrum.ieee.org/cargo-sous-terrain

スイス全土の都市と物流センターとを結ぶ地下トンネルを建設し、自動配送カートで貨物輸送を行うという「Cargo Sous Terrain」構想は2016年に発表されたもの。スイスでは2016年時点で、今後15年の貨物輸送量の増加が45%に上ると予想されており、成長分に対応するだけのインフラが不足していることから考えられた方法の1つです。

想定建設費用が34億ドル(発表当時のレートで約4080億円)と高額であり、また、資金が確保できたとしても建設実現は早くて2030年で、実現の可能性は低いとみられていましたが、2021年にスイス議会でこのプロジェクトを実現するために必要だった「地下貨物法」が可決され、一転し、「Cargo Sous Terrain」プロジェクトは推進されることになりました。

計画によれば、トンネルは地下50mに幅6mの大きさで設置されます。

第1期区間はベルン北東のヘルキンゲン・ニーダービップの流通センターとチューリッヒの間、全長66.7km。最終的にはルツェルンやジュネーブとも結ばれるとのことです。