この夏にボルシア・ドルトムントは、例外条項に定められた移籍金1500万ユーロを支払う形で、VfBシュトゥットガルトよりグレゴール・コーベルを迎え入れた。2026年までの契約を締結した首脳陣は、グラスホッパー・リューリヒやホッフェンハイムにて高度な育成を施された、23歳の若きGKへ長期的な活躍を期待しているところ。

 シュトゥットガルトにてブンデス2部からブンデスリーガへと昇格、さらにその初年度で残留も果たした同選手は、冷静沈着な近代的スタイルのゴールキーパーであり、守備面での資質に加えてビルドアップという点においても、最初のプレーメイカーとして絡み、カウンターのきっかけを作る場面も多く見受けられた。

 そしてそのパフォーマンスはkicker採点平均2.86という好成績でも現れており、これは優勝をマヌエル・ノイアー、マヌエル・オルテガ、ラファル・ギキーヴィツに続く、コーエン・カスティールスと並ぶ4位タイ。スイス代表としてユーロの最終メンバーから外れたが、それでもドルトムントへと移籍によって来季のチャンピオンズリーグ出場の資格も手にしている。

 その若さに関わらず、コーベルはピッチ上でも、そしてロッカールームにおいても、自分の意見を明確に伝えるタイプの選手であり、評価されるそのししつ、野心、そして意欲をもって、果たしてこれからドルトムントのストラクチャーへと如何にしてフィットしていくのか、これからが楽しみな存在だ。


 ちなみにそのチャンピオンリーグの組み合わせ抽選会では、ボルシア・ドルトムントはポット2からポット3と降格しより厳しい相手と対戦する可能性があったものの、チャンピオンズリーグ決勝にてトーマス・トゥヘル監督率いるチェルシーFCが、プレミア王者マンチェスター・シティを下して優勝。元指揮官によるナイスアシストで、ドルトムントはポット2へと滑り込んでいる。