バックヤードには大きなダクトがあり、「この位置にハンバーグがあるとダクトの風も当たることになる」(小倉城野店の関係者)

「初めて見たときは、とても驚きました。でも、これが一度や二度ではありません。何度もこういった光景を目にし、明かすことにしたんです」

 そう話すのは、福岡県北九州市にある「ガスト小倉城野店」の関係者だ。2020年10月に初めて目撃した「衝撃の光景」に憤っているという。

「小倉城野店のバックヤードには大きなごみ箱があって、そのごみ箱の上に、なんと調理前の冷凍ハンバーグが置かれていました」(ガスト小倉城野店の関係者、以下同)

 この関係者から本誌に提供された店舗内写真(冒頭の写真)には、ごみ箱と3つの食品ケースが写っている。周囲には段ボール箱が無造作に重ねられ、衛生面で優れた環境とは、いえなさそうだ。そして、右端のケースの袋の中にはたしかに、ハンバーグがいくつも重なっているのが見える。関係者が続ける。

「3つのケースとも、中はハンバーグです。廃棄のために置いたのではありません。ここで解凍されていたんです。

 ごみ箱には『可燃物』と書かれていますが、要するに中身は『生ごみ』ですよ。だから、これからお客さんに出すハンバーグを、生ごみの上で解凍していたことになります」

 全国で1000店舗以上が展開されている大手ファミリーレストランチェーンの「ガスト」。そのガストにおいて、ハンバーグは主力商品のひとつだ。なかでも、2008年12月に全国発売された「チーズINハンバーグ」は、2015年に日本ハンバーグ協会が主催する「第一回ハンバーググランプリ」で金賞に輝いた看板メニュー。それらが、このような取り扱いをされているとはーー。

 しかし、問題はこれだけではなかった。本誌は別の関係者から、同じ九州にある佐賀県唐津市の「ガスト唐津店」の、2020年11月のバックヤードの写真も入手した。

「ケースの中は冷凍ピザです。それがコンクリート打ちっぱなしの地面に、直に置かれた状態で解凍されています。こうした行為が常態化してしまっているんですよ」(ガスト唐津店の関係者)

 ハンバーグに続き、ピザまでもがキッチン以外の場所に “放置” されていたのだ。このようなガストの状況について、北九州市保健所・東部生活衛生課に見解を尋ねた。

「食品衛生法で『清潔で衛生的に調理、販売をおこなわなければならない』というのが大前提です。ごみ箱の上で解凍していたのであれば、(温度管理などの問題以前に)不衛生なところでの調理となりますので、立入り検査をして、指導する可能性もあります」

 ガストを運営する「すかいらーくホールディングス」に、今回の2店舗について見解を求めると、以下の回答だった。

「このような事態は、当社の店舗運営基準に合致しておりません。お客様にも申し訳なく、お詫び申し上げます。事実関係を確認し、必要な対応を検討してまいります」

 前出の小倉城野店の関係者は、あらためてこう話す。

「コロナ対策で、いまはお客さん側に厳しく衛生管理をお願いしている状況です。にもかかわらず、お店の裏では、コロナ云々以前の不衛生な状態だなんて、お客さんへの裏切りですよ。お店には、どうか改善してほしいです」

 この光景を見て “凍りつく” 消費者のことを、第一に考えてほしい。

(週刊FLASH 2021年5月11日・18日合併号)