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客が従業員に対して暴言を吐いたり、理不尽な要求を求めたりする「カスタマーハラスメント(カスハラ)」。今や社会問題となっているが、新型コロナウイルスに関係する「カスハラ」も相次いでいる。

2度目となる緊急事態宣言発令を受け、弁護士ドットコムニュースのLINE登録者に「感染拡大で生じたトラブル」について呼びかけたところ、「カスハラ」に悩む従業員から複数連絡があった。

寄せられた声の一部を紹介したい。

●「愛知県の人を入店させるな」

三重県で飲食店を経営する男性(45)からは「他県のナンバーがあるとスタッフに文句を言う人がいる」という情報が寄せられた。

「『なぜ愛知県のナンバーの車があるのか。コロナになるかもしれないやないか。愛知県の人を入店させるな』と言われたことがあります。こういう時は『すみません』と言うしかないですね。一生懸命やっているのに、理不尽なクレームを言われると優秀なスタッフ程、辞めていきます」

県をまたいで移動をする車に対する「他県ナンバー狩り」は、残念ながら今も続いているようだ。

●「なぜ釣り銭を手渡ししないんだ」

石川県金沢市のドラッグストアで働く50代男性も「正直お客様からの咎めには慣れました」と打ち明ける。

店では、マスクをつけないで来店する客に関するトラブルが度々発生するという。

「マスクをつけないお客様に他のお客様が注意して口論になったり、マスクをつけない人を見かけると『注意しろ』『何で強制しないんだ』『マスク未着用者は出禁にしろ』などと言われたりすることがあります」

さらに、レジ打ちする従業員に対して「なぜ釣り銭を手渡ししないんだ」「客一人終わったら手を消毒しろ」「買い物かごやカウンターはちゃんと消毒しているのか?」と言われることも。

男性は「説明しても聞き入れていただけない方は、受け流すことが出来る様になりました」と話した。

また、埼玉県でコンビニアルバイトをしている高校1年生は「この情勢の中でも会計時にマスクを外したり、せっかくマスクをしてきているのにわざわざ外したりするお客様が多い」と困惑した様子だった。

「おそらくタバコの番号を伝えるなど会計時に声を伝えやすくするため」と言うが、会話する時に外すのはなかなか困ったものだ。

●行き過ぎた言動、刑事責任問われる場合も

産業別労働組合「UAゼンセン」が2020年におこなったアンケート調査では、小売やサービス業などで働く5人に1人がコロナ禍でカスハラにあったとの結果が出ている。

行き過ぎたクレームの場合は、強要罪(刑法223条)が成立する可能性もある。お客様は神様ではないと自覚しておく必要があるだろう。

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