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●西島秀俊のアクションに「さすがだな」

テレビ朝日系2夜連続スペシャルドラマ『名探偵・明智小五郎』(30・31日21:00〜23:05)に出演する俳優の伊藤淳史。先輩でもある主演の西島秀俊とは、これまで数多く共演しているが、その関係性は変わってきているのだという。

そんな伊藤に、今作や西島への印象のほか、4歳のときに『とんねるずのみなさんのおかげです』(フジテレビ)の「仮面ノリダー」で演じた"チビノリダー"などについても、話を聞いてみた――。

○■出演は「本当にうれしかった」

――オファーを聞いたときの感想をお聞かせください。

僕は過去に『明智小五郎』シリーズを読んだり見たりしたことはなかったのですが、偉大な作品であることはもちろん分かっていたので、本当にうれしかったですね。『明智小五郎』に出演できることもそうですが、西島さんと共演でき、木村(ひさし)監督に撮っていただけるということで、なんて幸せなんだろうと思いました。

――伊藤さんは原作の「少年探偵団」の小林少年をリメイクした、警視庁刑事部「サイバー捜査支援室」の小林捜査官を演じます。

今まであまり知らなかったからこそ、ドラマの小林という役を演じることに集中できました。「全然イメージと違うよ」と思われたら申し訳ないなという思いはありつつ、ドラマとしての高みを目指すという感覚の中で演じました。

○■事務所の先輩・西島秀俊が「友達のような感じに」

――今作では、西島さんのアクションシーンも見どころのひとつですが、いかがでしたか。

よく体が動くなと思いました(笑)。日々トレーニングをされているのは知っていますが、実際に見るとさすがだなと。疲れた顔をお見せになることもなかったですし。

――西島さんとはこれまでに何度も共演されていますね。お2人の関係性についてお聞かせください。

『チーム・バチスタ2 ジェネラル・ルージュの凱旋』(2010年、カンテレ)の頃からすごく仲良くさせていただいていたんですが、「事務所の先輩」という感覚が強かったです。でも、だんだん共演を重ねていくうちに、めちゃくちゃ失礼なんですが、友達のような感じになっていますね(笑)。西島さんは誰に対してもフラットに接してくださいます。本当に優しくて、怒ったところを見たことがない。全然気を使わせない方ですね。

――今回演じる小林捜査官は、正義感が強い役です。伊藤さんはこれまでにも正義感の強い役を多く演じている印象があります。

確かに、僕も台本を読んだときに「正義感が強いな」とか「良い人だな」と思って演じる役が多いですね。そうではない、「最悪だな、コイツ」「なんだコイツの考え方」という役をやってみたいと思うことはあります。そういった役でも、作品の中ではちゃんと魅力があって、チャーミングだったりするので。台本を初めて読んだときに、「なんだコイツ」と納得できない部分がある役にも挑戦してみたいです。

●祖母がきっかけだった芸能界入り

――ところで、伊藤さんは3歳からこの世界に入られていますが、良い意味で浮世離れされていないのが、印象的です。

ありがとうございます。そう思っていただけているなら親のおかげですね。この世界に入ったのは、おばあちゃんが新聞に載っていたオーディションの広告を見て、「あっちゃん、テレビ出たい?」って聞いたのがきっかけなんです。僕は「うん」って言ったらしいんですけど、3歳って大概のことを「うん」って言うじゃないですか(笑)。なので、僕自身がテレビに出たいとかよく分かっていませんでしたし、親もこの世界に入れたいとは思っていなかったので、意識が薄かったかもしれません。大学まで学生生活も送れましたし、普通に過ごせてきた感じです。

――4歳のときには、「チビノリダー」で多くの人が知っている存在になったと思いますが、特別扱いされることはなかったんですね。

「チビノリダー」に関して言うと、まったく当時のことを覚えていないというのが、逆に良かったかもしれないです。断片の記憶もないので、一時期悩んだこともあったんですよ。覚えていなさすぎて。でも、(仲村)トオルさんが「つらいことや苦しいことは覚えている。楽しいことや幸せなことは忘れるようになっている」とおっしゃったんです。「じゃあ、やっぱり仕事をしていたときはすごく楽しかったんだろうな」と思えて、覚えていなくてもいいやという考えになりました。

――確かに、幼かったときに経験した痛かったことやトラウマ的なことは覚えていますもんね。

10代、20代のときって、調子に乗る時期が誰しもあったりしますよね。でも当時をまったく覚えていないので、「俺ってさ、チビノリダーやっていたんだよ」とか言えないんですよ(笑)。覚えていないから自覚がなく、自慢気に語ることもなかったんだと思います。

○■伊藤淳史が語るネットとの向き合い方

――今回の『明智小五郎』はサイバー犯罪がテーマです。伊藤さんご自身のネットとの向き合い方をお聞かせください。

ネットニュース大好きですよ! しょっちゅう見てます。見ることがクセになっていますね(笑)。

――ご自身や出演作の評判について、"エゴサーチ"することはありますか。

それはないですね。でも、たまに「このドラマが好調だ」などといった記事をたまたま見ていたときに、自分も出ているドラマの記事だったことはあります。今回の『明智小五郎』も発表日を忘れていて、普通にネットニュースを見ていたら、「明智小五郎がリメイクで放送決定」という記事を目にしました(笑)。

――それでは最後に、本作『名探偵・明智小五郎』の見どころをお聞かせください。

これ以上ない贅沢な作品になっていると思います。刑事モノ、推理モノ、医療モノ、「明智小五郎」と全部詰まっています。さらには、豪華キャストで木村監督という、これ以上のものは集まらないのではというくらいです。「見逃さないで!」というシーンがド頭からあるので、一瞬も目を離さずに見ていただけるとうれしいですね。

■伊藤淳史1983年11月25日生まれ、千葉県出身。子役として様々な作品に出演し、『とんねるずのみなさんのおかげです』(フジ)の「仮面ノリダー」でチビノリダー役として知名度を上げる。映画『鉄塔 武蔵野線』(97)で初主演、主演映画『独立少年合唱団』(00)が、ベルリン国際映画祭のアルフレート・バウアー賞を受賞したほか、数々の賞を受賞。2015年公開の『映画 ビリギャル』での演技により、第39回日本アカデミー賞優秀助演男優賞に輝いている。ほか、ドラマ『電車男』(05)、『チーム・バチスタの栄光』シリーズ(08〜14)など、様々な作品で主演・助演問わず活躍している。

■テレビ朝日系スペシャルドラマ『名探偵・明智小五郎』(30日・31日 21:00〜)『TRICK』シリーズや『民王』などを手掛けた木村ひさし監督の指揮のもと、西島秀俊や伊藤淳史をはじめ、石田ゆり子、岸井ゆきの、香川照之、生瀬勝久らが集結。日本が誇る推理作家・江戸川乱歩が生み出した名探偵・明智小五郎(西島)が現代を舞台に、警視庁刑事部「サイバー捜査支援室」の小林捜査官(伊藤)とタッグを組み、明晰な頭脳とアクションをさく裂させながらサイバー犯罪に挑む。