何を頼んでもハズレなし!最初から最後まで「旨い」が続く。

中目黒の隠れ家的なエリアに、芸能人や食通がこぞって訪れる名店がある。

「わざわざ銀座に行かずとも、気軽に割烹料理を楽しんで欲しい」そんな店主・高橋一幸さんの想いから誕生した、くずし割烹『一饗』。

こちらの名物はシメの「生ハムおにぎり」。居心地も抜群で何を頼んでも美味しい名店の魅力をお伝えしよう。



店主・高橋さんの地元である栃木県益子町の人々と作り上げた店内は温もりあふれ、ほっと寛げる空間
訪れた人は必ず心を奪われ、もう一度来たくなる

中目黒駅から7分ほど歩くと駒沢通り沿いに佇む『一饗』に辿り着く。

階段を下って半地下にある扉を開けると、あたたかい雰囲気ながらこだわりの内装が出迎える。

木の温もりあふれる店内は、訪れた人に郷愁を抱かせ、あっという間に『一饗』の世界へと誘い込む。席に付くと目に入るのは、手書きの献立表。最初に書かれるのは日付。

そう、『一饗』では、その日の仕入れ状況に合わせて毎日違う料理を提供しているのだ。これが常連客の心を惹きつけて放さない魅力のひとつ。



「お刺身5種盛り合わせ」(2人前3,960円)。手前から大間産のヒラメ、銚子産の金目鯛、天草産のハモ、いわし、カツオに「自家製割り水」(芋焼酎、麦焼酎各630円)を合わせて
季節を感じる最初の一皿は刺身がおすすめ

「この前食べたものじゃない料理をお願い」という常連ならではの注文も飛び交うなか、まずは人気のお刺身と自家製割り水の麦焼酎でしっとりと晩酌開始。

独自の配合で焼酎を水で割り、1週間ほど寝かせた割り水は、角が取れまろやか。どんな料理との相性も抜群だ。

またお刺身は、同店を訪れた人の9割がオーダーする人気の逸品。30年間、和食の料理人を続ける高橋さんの確かな目利きで選び抜かれる鮮魚は、旬の味を口いっぱいに広げてくれる。



「金目鯛のカブト焼き」(1,300円)

新鮮なお刺身の美味しさを堪能した後は焼きもの、揚げ物も気になるところ。もちろん焼きや揚げで使用する魚介も全て生でも食べられるほど鮮度抜群の品ばかり。

この日は焼き物に「金目鯛カブト焼き」をオーダー。合わせたのは日本酒「きき酒三種」。

まずは時期によって内容が変化していく「きき酒三種」を楽しみながら、料理の完成を待つ。9月下旬頃までは「九頭竜 純米」、「まつもと 守破離」、「澤の花 超辛口吟醸ささら」といったスッキリとした味わいの3種を揃える。



「生ハムおにぎり」(1個680円)
名物!生ハムおにぎりの美味しさに迫る

『一饗』を語る上で欠かせないのが〆に人気の「生ハムおにぎり」。

大ぶりなおにぎりをパルマ産の生ハムで包むという斬新な一品で、これが食べたかったんだと訪れる人も多いという。

中には鰻入り!大将の想いの詰まった生ハムおにぎりについてじっくりお話を伺った。



オープン当初は「天ぷら」を具としたおにぎりなども提供していたが、〆に出すには提供に時間がかかることから、鰻を入れるという方法にシフト。これが大成功だったという



握り加減も絶妙。生ハムで巻かれているにも関わらず、白米の食感はしっかり残り、ふっくらと柔らかな食感と、美味しさが口の中に一気に流れ込んでくる


新鮮なアジフライ、特製茶碗蒸しも絶品ぞろい!



拳ひとつぶんほどの大きさなので、たくさん他の料理も食べたいならば2人でシェアして食べるのもおすすめだ

パクッとひと口頬張ると、生ハムの塩気と白米の絶妙なコンビネーションの中に、甘辛くふっくらとした鰻の味わいが混じる。

白米に優しく包まれる鰻の蒲焼は、じんわりと旨みを白米に移し、自身の存在感もしっかりと保つ。

もう満腹のはずなのに、どうしたことかするすると、胃に収まってしまう美味しさだ。



「島根特選アジのフライ 特製タルタルソース」(1,200円)
まだまだ続く逸品つまみは日替わりで!

揚げ物には「島根特選アジのフライ 特製タルタルソース」を。

口に入れた瞬間に鮮度の良さを実感でき、あえて揚げで味わう贅沢さを噛みしめられる。

3種の酢を調合してさっぱりとした口当たりに仕上げられる特製タルタルソースもいい仕事ぶり。料理に使用するソースやドレッシングなども全て手作りするというのも高橋さんのこだわりのひとつ。

そういった料理ひとつひとつへの愛情が『一饗』というブランドを守り続けているのだろう。



「特製モッツァレラチーズの茶碗蒸し」(830円)
日々の研究から生まれるアイデア料理も必食

全ての料理が美味しいだけに「前に食べた〇〇、今日はないの?」というオーダーも少なくはない。とりわけそんな言葉が多かったのが「特製モッツァレラチーズの茶碗蒸し」だ。

ベーコンやトマトなどが入った茶碗蒸しの中に、モッツァレラチーズが潜み、とろりと溶けるチーズの食感が楽しい一品である。

このようなアイデアは、和食だけでなくさまざまな料理の研究・勉強を続けている高橋さんだからこそ生み出せるものなのだろう。



毎日オープン前にご主人が丁寧に手書きする献立

最初から最後まで美味しく、帰る頃には次の来店をいつにしようかと考えてしまうのが『一饗』という場所。テーブル、カウンター席、個室と利用シーンの幅広さも嬉しい。

わざわざ高級店にいかなくても、上質な食材と旬を楽しんで欲しい、というご主人の心意気と熱意を感じる事ができる『一饗』は、季節が変わる度、訪れたくなる場所である。