地球平面説ラッパーに反撃。ニール・ドグラース・タイソン、TV番組でB.o.Bに「見ろ、これが重力ってヤツだ!」
「地平線はまっすぐにしか見えない。だから地球は平面だ」と主張するラッパー B.o.B と、一般的な常識を教えようとした天体物理学者ニール・ドグラース・タイソンのツイート合戦は、B.o.B がタイソンを侮辱するディス曲の公開で過熱。かたやタイソンサイドも甥っ子にしてラッパーの TYSON がアンサー曲で叔父の援護射撃をするビーフな展開で世間の注目を集めました。
その後双方ともネタが尽きたのかツイートの応酬は止み、このまま事態は沈静化していくものと思われました。ところが、実際はそうでもなかったようです。
両者間のツイート合戦は落ち着いてはいたものの、タイソンのもとには B.o.B のファンから直接非難のメッセージが届くようになっていました。また B.o.B のもとには地球平面説支持者らからの応援の声も届いていました。
影響力のある人間が誤った考えを広めることに不安を感じたタイソンは、事態を収拾するため米フォックスのテレビ番組『ザ・ナイトリー・ショウ』の企画オファーに応じることにしたとしています。
番組では、ホストのラリー・ウィルモアが B.o.B のツイートを紹介。「そんなにまるい地平線を見たいなら、Sir Mix-A-Lot に聞けばいい」とジョークを飛ばし、科学にとっての非常事態に緊急科学防護プログラムを発動。ニール・ドグラース・タイソンを番組に招き入れます。
タイソンはその場で、ツイッターでも解説していた地球がまるく見えない理由をひととおり説明しなおしました。そして「君が、地球が平らだと思うなら好きにすればいい。しかし、影響力のある君の誤った考えを周囲に広めるのは、世の中にとって迷惑だ」と一喝。「我々は我々の前の世代が学んできた知識やものごとの上で生活をしている」と続けます。
さらにアイザック・ニュートンの「巨人の肩の上に立つ」話を引用し、「B.o.B、君も先人が得てきた知識の上に立って遠くを見渡せば、この地球がフラットじゃないことが理解できるかもしれないよ」と語りました。そしてタイソンは「ついでに教えてやる。これが重力ってやつだ!」とマイクを床に落とし、観客の歓声に応えつつスタジオから出て行きました。
タイソンのテレビ出演と前後して、いつのまにか B.o.Bは SoundCloud に公開していたタイソンへのディス曲「Flatline」を取り下げていました。こうして、ようやく騒動は終わりを告げ...
pic.twitter.com/zBBxMbd4r9
- B.o.B (@bobatl) 2016, 1月 29
えっ...と、まだ終わってはいないようです。
ちなみに、上の B.o.B のツイートは道教や禅の話に出てくる茶碗とお茶のテーマを、タイソンにあてて改変した内容です。おおまかには「既成概念にとらわれず、まず自分の頭をクリアにすれば、彼もきっと分かるだろう」といった意味。
ラリー・ウィルモア 「そんなにまるい地平線を見たいなら Sir Mix-A-Lot に聞けば?」