【ファンキー通信】オシム語録 VS ノムさんのぼやき

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 発言に注目が集まる監督といえばサッカー日本代表・オシム監督だ。これに対し、野球界でいえば楽天の野村監督が挙げられる。そこで、この両監督のこれまでの名言・苦言をシーン別に検証してみたい。

 監督に求められることといえばチームの勝利。そのためにどんな“勝利に導くコメント”を残しているのか探ってみた。オシム監督の場合、「勝とうという気持ちが山をも動かすことが出来るってことを、このゲームで見せてほしい」とチームのミーティングで述べている。一方の野村監督は「願望を持たないと、脳細胞が機能しないらしいよ。もっと笑って、もっと大きく願望を持ってほしい。幸運の女神は、笑顔が好きだからね」とマスコミに述べている。選手にとってかなりプレッシャーがかかるオシム監督のコメントに対し、野村監督は意外にも優しげで、選手をリラックスさせるようなコメントであった。

 次に、監督の手腕が試される“選手を怒るときのコメント”を見てみたい。オシム監督の場合、「練習で出来なかったことが、ゲームで出来るようになるはずがない。人生も同じ。日々の生活でのことが、重要なときに必ず出てしまうものだ」とミーティングでコメント。対する野村監督は「クソボールを振り回すのは、チームにとって最大の迷惑。ボールを振らないことも、チームプレーなんや」と選手の打撃練習を見ながらぼやいた。オシム監督はここでも上手い例え話が出てきたが、先程とは打って変わって、怒りを露にしている野村監督。

 それでは選手を励ますときはどんな“励ましのコメント”を残しているのだろうか。オシム監督の場合「まず自分たちを信じ、そして相手を尊敬すること。だが相手を恐れてはいけない」とミーティングで述べている。対する野村監督は、インタビューで「昔からよく言われたよ、“タメ覚えたら、金貯まる”ってね。タメを覚えたら、打てる。給料が上がる」と、打てない打者に対してつぶやいている。皮肉っているようにしか聞こえないが、これはその昔、新庄選手に送ったノムさんのれっきとした励ましの言葉である。

 互いに名言多い監督だったが、表現の仕方に差があった。オシム監督の場合、少し漠然とし過ぎていても、誰もが聞く耳を持たせる上品な例え話が多い。それに対し野村監督は、言っていることはかなり的を射ていても、オシム監督ほど飾ろうとしないのでボヤッキーとなってしまうワケだ。

 どちらの勝利かというと微妙だが、選手の目線で言えば具体的名言の多いノムさんの方か?(清水憲一/verb)

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