警察庁に全国の警察から報告のあった「出会い系サイト」に関係した事件の検挙数は、2006年6月末日までで909件と、上半期だけでも、統計を取り始めた01年以来最多であったことが、同庁が先ごろ公表した検挙状況で分かった。被害者のうち、18歳未満の児童が8割を占め、このうち女子児童が100%近いことも明らかになった。

 上半期の検挙数909件は前年同期に比べ28%、199件増加しており、このまま推移すれば、03年の1743件を軽く抜く勢いだ。同庁は、03年9月に施行されたインターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律、いわゆる「出会い系サイト規制法」違反と認められた28サイトの事業者に対し警告を行い、1サイトを閉鎖した。同法は、出会い系サイトを利用して18歳未満の児童に性行為や援助交際を促した者に対し、6カ月以下の懲役か、100万円以下の罰金を科すというもの。

 検挙された中で最も多かったのが、児童売春・児童ポルノ規制法違反で、児童売春は全体の4割近い365件、児童ポルノは前年同期の2倍以上多い54件だった。殺人・強盗などの重要犯罪は47件で、前年より11件増えた。

 被害者719人のうち、18歳未満が全体の8割超の610人で、そのうち女子児童が608人と100%に近い数だった。被害者全体に占める小・中・高校生の数は、小学生が3人、中学生193人、高校生240人、と年齢が上がるに従って被害も多くなる傾向にある。これは、18歳未満の携帯電話利用率と関係があり、アクセスの手段に携帯電話を使用したケースが871件と大多数を占めていたことから、高校生に被害が多い理由の一端が伺える。【了】

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