F1マシンの前で「今年こそは初優勝したい」と意欲を語るトヨタ自動車の渡辺捷昭社長(撮影:吉川忠行)

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トヨタ自動車<7203>は3日、東京都港区のホテルオークラで会見を開き、2006年のモータースポーツ活動の概要を発表した。渡辺捷昭社長は、今年で参戦5年目となる自動車F1世界選手権シリーズで「今年こそ初優勝の感動をお届けしたい」と悲願達成を誓った。

 排気量などのレギュレーション変更に対応した新型「TF106」は、新開発の2.4リットルV型8気筒エンジンを搭載し、タイヤも新しいブリヂストンタイヤを採用。空力面を重点的に改良し、サスペンションも再設計、昨年11月から、スペイン・バレンシアでテスト走行を積み重ねてきた。

 ドライバーは、昨年と同じ顔ぶれで、ラルフ・シューマッハー(ドイツ)とヤルノ・トゥルーリ(イタリア)が務める。F1初戦のバーレーン・グランプリ(12日)を控え、2人は会見には出席しなかったが、ラルフは「新型TF106の感触はとても良かった。鈴鹿(グランプリ)までには優勝を勝ち取れるよう頑張る」トゥルーリは「チャレンジングなシーズンになるが、いい結果を残せるよう頑張る」とのビデオメッセージを寄せた。

 昨季のトヨタは、優勝こそなかったものの、最高位は2位を記録し、コンストラクターズ・ポイントでも4位につけるなど、安定した戦いぶりを見せた。だが、F1チームの「パナソニック・トヨタレーシング」の冨田務代表は「トップチームとの差は歴然とある。今年は常にトップ争いをする底力をつけたい」と語り、優勝へのこだわりを見せた。命運を握る新マシンについては「トップに対抗できる期待通りの車になった。車体はもちろん、タイヤもいい手応え」と胸を張った。

 この日の会見では、そのほか、米国のレース・NASCARシリーズに2007年から「カムリ」で参戦することや、国内では「フォーミュラ・ニッポン」へのエンジン供給を開始することなどが発表された。【了】

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