社民党は11日に開幕した第10回党大会で、自衛隊の現状について「明らかに違憲状態にある」とする社会民主党宣言を採択した。設立10周年の節目の年に、旧社会党時代からの護憲政党としての原点に回帰、改憲の動きとは一線を画して独自性を鮮明にした格好だ。 

 党宣言では、憲法9条を指針とした平和外交と非軍事を基本とする国際貢献を打ち出し、自衛隊については「縮小を図り、国際警備・災害救助・国際協力などの任務別組織に改編・解消して非武装の日本を目指す」と宣言している。

 福島瑞穂党首は、党大会でのあいさつで、「武力行使を行う米軍支援のためにイラクまで派遣された自衛隊が、『憲法の枠内』にあるとは言えない」と述べた。

 同党は1994年の村山富市委員長時代に、自衛隊に対する認識を「合憲」と変更した。綱領的文書をまとめるのは、1996年に社会党から党名変更して以来初めて。

 また党宣言では、格差社会の是正への決意も盛り込んだ。「市場任せの利潤追求と効率性が最優先された」新自由主義に対して、社会民主主義を掲げ、「差別と格差、不平等の解消に取り組む」とし、自民党政治への対抗軸を強調した。【了】

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