台湾HTC幹部、中国大陸への機密漏洩の疑いで拘束
HTCは今年8月、簡志霖・設計部副総経理（＝写真中央）、呉建宏処長、黄弘毅・設計技師の3人を、虚偽のスマートフォンデザイン費を要求し1000万台湾元（約3270万円）近くを横領したこと、および業務上の機密を中国大陸に漏洩したとの疑いで告訴していた。
台北地検は30日午後、株取引が終了するのを待って捜査を開始、証券取引法および営業秘密法に違反した疑いで取り調べを終夜続けていたが、口裏合わせや逃亡の恐れがあることから31日の明け方、簡容疑者と呉容疑者の2人については接見禁止の処分で引き続き拘束、身柄を調査局に移して再度取り調べを行うこととなった。
簡志霖容疑者は人気スマホシリーズ、HTC Oneなどの舞台裏を預かる設計部門の幹部で入社13年の“元老級”社員。社の新人採用面接に関わる一方、しばしば中国大陸に赴き新型スマホの紹介を行い会社から重用され、度々メディア取材も受けていた。また、新しいHTC Oneのメタルケースは簡容疑者の設計チームの主導によるものだという。
HTC側では捜査非公開のためコメントは避けたいとしながらも、事件が社の経営に影響を与えることはないとしている。
（編集：谷口一康）
