29日のイングランド代表との国際親善試合で、オランダ代表として主役を務めるであろうインテルMFヴェスレイ・スナイデルは、ミラノから離れて話をする意欲を取り戻したのかもしれない。前節ナポリ戦でハーフタイムに交代させられた同選手は、クラウディオ・ラニエリ監督に対して厳しいコメントを残している。ラニエリ監督はスナイデルを下げ、マーカーであるDFイバン・コルドバを投入していた。

「ラニエリはより守備的な布陣にしたかったんだ。よりディフェンシブなプレーを望んだんだよ。だから僕を交代させたんだ。その件に関して僕の意見はある。でも、それは言わない」

「監督は僕らにモチベーションを与えようとすることがある。僕とみんなも、冷静を保とうとしているよ。僕だけじゃない。ただ僕は、監督は出て行くべきだとか、そういうことを言うタイプじゃないんだ。それに、僕がインテルで居心地良くやっていることは確かだよ」

「代表のために戦うのはいつだって素晴らしいことだ。でも、僕が優先しているのは、別のクラブにアピールするために良いプレーをすることじゃない。僕が考えているのは、イングランドを相手に良い戦いをすることだけだ」

だが同日、スナイデルは『ツイッター』で、「ちゃんと理解できないのなら、自分たちがちゃんと翻訳できると思っているイタリアのジャーナリストたちは、学校に戻るか黙っているかのどちらかにすべきだ」とツイートし、前述の発言を否定している。

だが、試合をするたびに、スナイデルはインテルの問題になりつつあるかのようだ。インテルはスナイデルがケガで離脱している間に、攻撃のアイディアは少ないが、4-4-2のソリッドなフォーメーションで7連勝を記録した。スナイデルはミランとのダービーで後半途中に復帰すると、続くラツィオ戦で先発となり、このときはチームも勝利して、自身の採点も「7」だった。

だが、続くアウェーでのレッチェ戦が、「終わりの始まり」となる。スナイデルは前半だけで交代。採点は「6」だったが、ラニエリ監督は「彼はチームと同じ言葉を話さなければならない」と語った。パレルモ戦では68分間のプレーでまずまずだったが、0−4と大敗したローマ戦では再び離脱。復帰したノヴァーラ戦では、一人でプレーしたがっているようだったが、インテルのベストプレーヤーとなっている。だが、ボローニャ戦やマルセイユ戦、ナポリ戦では不十分なパフォーマンスだった。

平均採点は、及第点を上回る「6.2」と、インテルでは数少ない選手の一人だ。だが、スナイデルはコンディションが万全からほど遠いところを見せている。ボールにたどり着くのが遅く、マークを外すのにも苦労し、カバーリングも少ない。そこでラニエリ監督は、サイドやセカンドストライカーとして起用するようになったのだ。

続投が決まれば、ラニエリ監督がスナイデルを外すこともあり得るかもしれない。これだけのクオリティーを持つ選手を外すのは危険な賭けだろう。だが、ラニエリ監督は何度もそれをしてきた。今回もしないとは限らないはずだ。