サッカー・アジアカップ日韓戦で、韓国の奇誠庸(キ・ソンヨン)選手による「猿のものまね」に端を発する騒動が、終息傾向にある。韓国のインターネット上では試合後、奇選手が指摘した「観客席の旭日旗」や、韓国メディアが報じた「日本サポーターのキム・ヨナ悪魔仮面」に非難が殺到したが、現在はその真偽を問う声が上がっている。

 韓国人ブロガーのEvltion(ハンドルネーム)さんは、試合当日に日本人サポーターがキム・ヨナの悪魔仮面を付けていたとの報道は、メディアのねつ造だと指摘する。

 「韓国メディアは、日本人サポーターが嫌韓感情の表れとしてキム・ヨナの悪魔仮面を付けていたと盛んに報じた。しかし、その仮面は2010ワールドカップの時に韓国の露店で売られていたもので、写真も2010年10月の日韓戦で撮影されもの」と主張し、ブログに証拠の写真を掲載する。

 Evltionさんは、悪魔仮面の写真が25日に撮影されたものと証明する写真が複数あるなら分かるが、関連記事に掲載され写真はどれも同じだったと主張。「悪魔仮面騒動は、刺激的な記事を書くためにメディアがねつ造した虚偽(きょぎ)」と非難した。

 韓国人ブロガーのアシュラ(ハンドルネーム)さんは、「日本人がキム・ヨナの仮面を付けるとなぜ非難されるのか。キム・ヨナファンの可能性だってある」とし、「韓国人として決勝進出を逃したのは悔しいことだが、ねつ造に近いことをしてうっぷんを晴らすのは間違っている」と述べる。

 キム・ヨナ悪魔仮面がネット上で大きな話題になっていた当時、韓国メディアは悪魔仮面について、「日本には『イシマタラ』という伝統の仮面遊びがある。自分が嫌いな人や悪党の姿の仮面を作ってかぶり、互いにののしり合うと正しい人になると信じられている」と報じていた。しかし、アシュラさんはメディアが報じた「イシマタラ」についてもねつ造だと語る。

 「日本人サポーターがイシマタラをしたと言うが、グーグルで検索しても『イシマタラ』に関する情報はなかった。日本の伝統文化なら写真や解説があってもいいはず」とし、日本人4人にたずねても誰も知らなかったと述べる。

 「ひとことで言うと、イシマタラは『日本伝統文化だが日本にはなく韓国の記事にだけに存在する文化』」と説明。写真に映る日本人サポーターを「イシマタラをした」と非難するのは、理解しがたい行為だと語った。(編集担当:新川悠)



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