写真/平岡純

写真拡大

タイガー・ウッズに関する報道は相変わらず荒れている。だが、米ツアーの選手や関係者、ツアーのこれまで同様の存続を望む人々の間では、溢れる情報を鵜呑みにせず、賢く取捨選択する重要性が叫ばれている。

たとえば、タイガーが性依存症のリハビリ施設に入所したなどと報じているメディアの中には、それが何州の何という施設なのかを単なる推測だけで伝え、すぐさま「やっぱり違う。あっちの州のどこどこだ」という具合で、信憑性は限りなく低い。

先日は、タイガーの元コーチ、ブッチ・ハーモンの「タイガーは3月に復帰する」というコメントが、まるでタイガーから得た極秘情報を明かしたかのように伝えられていたが、それだって信憑性は限りなく低い。タイガーからコーチを解雇されて以来、タイガーとハーモンは不仲だ。ツアー会場でも言葉を交わすことは皆無に近かった。そんなハーモンに、今のタイガーが心の内を明かすことはない。単に、かつてタイガーと深い関わりがあった人物というだけで、そのコメントをまことしやかに報じるのは、まったくのナンセンスである。

一方、テニス界のスター、ロジャー・フェデラーが電話でタイガーと会話を交わした上で「タイガーは近いうちに戻ってくる」と語った事実は信憑性がすこぶる高い。タイガーとフェデラーは、ここ数年では最も親しい仲。そして「電話で話した」というフェデラーの言葉も信じられる。

信頼しうる最新情報は、大地震に見舞われたハイチへの支援金として、タイガーが自ら主宰するタイガー・ウッズ・ファウンデションを通じ、300万ドルの寄付を検討しているというものだ。これに対しても、ゴシップ誌や一部の人々は「お金にモノを言わせ、寄付で社会貢献をすることで、自分に対する批判を鎮静化しようとしている」なんて言い始めている。しかし、窮地にあっても苦しむ人々を助けようとする姿勢はタイガーならではである。その姿勢が昔も今も変わっていないことは喜ばしいことだと受け取ろうではないか。モノゴト、受け取り方次第でポジティブにもネガティブにもなる。馬鹿げたゴシップ報道には耳をふさぎ、すべてを前向きに考える方向へ向かってほしいと願うばかりだ。(舩越園子/在米ゴルフジャーナリスト)