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1998年の4月、爆笑問題による2つの深夜番組がスタートした。『号外!!爆笑大問題』(日本テレビ系)と『大爆笑問題』(テレビ東京系)である。

"ボキャブラ"で再ブレイクした爆笑問題


爆笑問題は1988年に太田プロダクションからデビューを果たし、社会派の毒舌漫才で“ポストツービート”として売り出されたが、事務所独立のトラブルから90年代前半は不遇の時代を過ごした。そんな彼らの、再ブレイクのきっかけとなった番組といえば、“不発の核弾頭”として番組内で頭角を現した『ボキャブラ天国』シリーズ(フジテレビ系)だろう。

時事ネタを取り上げた『号外!!爆笑大問題』


そして「ボキャブラ」を卒業した1998年4月に2つの冠番組が同時にはじまった。『号外!!爆笑大問題』と『大爆笑問題』である。

『号外!!爆笑大問題』は、時事ニュースを笑いの要素を交えながら取り上げる番組であり、現在の『サンデー・ジャポン』(TBS系)に通ずる番組だといえるだろう。
この番組のもとになった企画は、1997年1月に発売され30万部を超えるベストセラーとなった彼らの著書『爆笑問題の日本原論』(宝島社)である。同書は爆笑問題の漫才という形式で時事ネタに切り込んでいくものであり、そのテレビ版が『号外!!爆笑大問題』であったのだ。
この番組では太田が、私的な語りを盛り込んだ「今週のコラム」なるコーナーもあり、雑誌的な作りの番組であったと言える。

マニアックな要素が強かった『大爆笑問題』


一方の『大爆笑問題』はどんな番組であったか。こちらは、爆笑問題と大原かおりのロケ企画がメインであり、さながら『タモリ倶楽部』(テレビ朝日系)を彷彿とさせるユルさがあった。
さらに、その合間には太田の独断で懐かしいものをジャッジする「ランバダ将棋」や、爆笑問題の気のしれた芸人仲間が出演するミニコントが挟まれる、マニアックな要素の強い深夜番組であった。

この番組のスタッフは、爆笑問題が干されていた時期に、彼らと仕事をしていたメンバーだ。当時の爆笑問題は前の所属事務所の圧力により、NHKとテレビ東京以外には出られなかった(NHKは芸能事務所の権力が及ばず、テレビ東京は“視聴率番外地”であったため)。不遇の時代を支えてくれたテレビ局への恩返しとして、爆笑問題はこの番組をはじめたのかもしれない。

爆笑問題のテレビにおける真の再ブレイクの時期はいつかと問われれば、深夜帯において2つの冠番組をはじめた1998年4月だと言えるだろう。

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