チョン・ヘビン「私にとって公開恋愛とは…結婚するなら35歳を越えたくない」

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優しい外見とは違って、厳しい芸能界を乗り越えていくチョン・ヘビンの生存方式は、ただ流れに身を任せることだ。逆行するよりも流れを尊重するという人生の指標は、何ごとにも着実に、上手くやって見せたいという情熱を乗せて、夢を追うように少しずつ流れてきた。一時は、20代でアルバムを発売し、何も考えずにどんなバラエティ番組にも出演してきたことをものすごく後悔した。過去の落ち着いていないイメージが思い出されることを懸念していたが、過ぎてから考えると、できることの多い女優だったということに誇りを感じている。

チョン・ヘビンは学生時代、ずっと女優を夢見ていた。桂園(ケウォン)芸術高校を経て、東国(トングク)大学で演劇映画学を専攻し、役者への道に一歩近づいた。そうなるのには、長らく舞台美術の仕事に携わっていた父親や環境の影響も大きかった。休むことなく演技の勉強を続け、偶然手にした機会を通じて歌手としてデビューした。

しかし、チョン・ヘビンはガールズグループLUV(ラブ)として活動していた時代やバラエティ番組で“イサドン”(24時間お金が回るという意味)と呼ばれていた頃のイメージが嫌いだった。自ら軽く行動をすると、人々が真剣な目で見てくれないと分かり、変わるために多くの努力を注いだ。違う道を歩もうと思ってからは、騒いでいた昔のイメージから抜け出し、ようやく落ち着くことができた。

「どんな決定をするのかによって、人生も変わるようだ。20代の頃は『やめてしまおうか』と毎日のように苦しんだ。ここでやめたほうがいいのではないかと悩んだ末に、私のような人間が求められる時を待ち、自分自身の準備をした」

従来のイメージから抜け出す起爆剤が訪れた。SBS「ジャングルの法則」はチャンスとなり、先入観から抜け出し、人々ともっと気楽に触れ合うことができた。最近、韓国で人気を博し、放送終了となったKBS 2TV月火ドラマ「オフィスの女王」ではクム・ビンナ役を熱演した。「今日が素敵なのに、過去のせいで要らない心配をする必要はない」という言葉からはもう余裕が感じられる。

「縁があれば私の方から気付くはず」

チョン・ヘビンと家族の間には、いつも愛情が溢れている。母親はチョン・ヘビンにとって秘密を共有することのできるベストフレンドであり、父親はお酒が一緒に飲めるデートの相手だ。二つ違いの弟は料理を学び、夢を育んでいる健康的な青年だ。将来、自分の名前を掲げたお店をオープンさせることを夢見る弟を、チョン・ヘビンも応援している。チョン・ヘビンはテレビのスケジュールのために実家である一山(イルサン)を離れ、移動に便利なソウルで母親と一緒に暮らしている。母親の存在に落ち着くという彼女は、穏やかな日常に感謝していた。

チョン・ヘビンはまだ人生の相棒に出会えていないが、急いではいない。しかし、結婚するなら35歳を越えたくないと言う。「もう誰かに出会えるチャンスも多くないだろうし、もし、相手の方から好意を持って近づいてきてくれたとしても自由に恋愛できる立場ではない。気軽に誰かに会える状況ではないが、逆に選択において慎重になれるという良い面もある。縁のある人なら、一目で気付けるような気がする」

結婚相手の職業として芸能人はどうかと質問すると、同じ事務所に所属するユ・ジュンサン&ホン・ウニ夫婦の話を始めた。お互いに支え合いながら生きていく姿が美しく、模範的でもあり、見る度に羨ましいと話した。しかし、自分の結婚相手としては、別の職業が良いと言う。自分の知らない広い世界に接しながら、考え方が似ている、尊重することのできる人を探していた。

「二重まぶたの濃い目元や、ラインがシャープで綺麗な印象よりも、男らしい外見に惹かれる。私のどんな言葉も聞き流さない真面目な人、一緒にいてリラックスできる男性が好きだ。年下や同い年よりも年上の方と会話が通じるほうだ。年齢を重ねると理想のタイプも変わる。ロバート・ダウニー・Jrのような男らしい男性が好きになった。魅力的で独特な感じの人を見ると、なぜか視線が止まったりもする」

今は恋愛よりも仕事を欲張る時

公開恋愛に関する率直な考えも聞くことができた。「私にとって公開恋愛とは、結婚するという意味だ。この人だと思えば、嘘をつくことはできないと思う。愛は隠されるものではないのに、バレた後、恋人ではないと嘘をつくほうがもっとおかしいだろう」

チョン・ヘビンにとって演技とは、冷めない情熱だ。今は恋愛よりも仕事を欲張る時だと言いながら、演技の成長を目指している。

「新しいものに挑戦したい。これまで披露したことのない強い女性のキャラクターを演じてみたいし、穏やかでロマンチックな感じの映画も好きだ。言葉にしなくても伝わる細かい感情たち…そんな作品に出会いたい」

チョン・ヘビンの目標は演技で愛されることだ。演技が期待される女優として記憶されることを望んでいる。運命の相手に出会いたいという個人的な願いよりも、まずは役者として安定することのほうが優先だ。少しずつではあるが、徐々に前に進んでいることに満足できる謙遜さがとても素朴で、これからが楽しみな女優である。